2022.10.27 麻酔科抄読会

Outlying End-Tidal Carbon Dioxide During General Anesthesia Is Associated With Postoperative Pulmonary Complications: A Multicenter Retrospective Observational Study From US Hospitals Between 2010 and 2017

Anesth Analg. 2022 Aug 1;135(2):341-353

筆者らは先行研究を踏まえ、高CO2血症が術後肺合併症(Postoperative pulmonary complications:PPCs)の予防に関連しているのではないかという仮説を立て、下記の研究を行いました。

デザイン:他施設後方観察研究
対象:全身麻酔を受けた18歳以上のすべての症例
評価項目:術中のEtCO2値と術後30日以内のPPCsの発生率の関連
結果:EtCO2値はPPCsの発生率と非線形のU字の関連を示し、EtCO235〜38mmHgのときにPPCsの発生率が最低となった

抄読会では、以下の意見が出ました。
・EtCO2値を下げる管理を強いられる場合、術前より呼吸器疾患を併発している場合が多く、そのような患者は必然的にPPCsの発生率が高くなるのではないか。
・人工呼吸の設定が統一されていないため様々な交絡因子が存在している可能性がある。

EtCO2値とPPCsの発生率の関連をより明らかにする介入研究が期待されます。
田中先生、大熊先生ありがとうございました。

亀田総合病院 麻酔科 後期研修医 栁 俊文

このサイトの監修者

亀田総合病院
麻酔科主任部長 小林 収

【専門分野】
麻酔、集中治療