2022.10.25 麻酔科抄読会

Pesonen E, et al. Effect of 4% Albumin Solution vs Ringer Acetate on Major Adverse Events in Patients Undergoing Cardiac Surgery With Cardiopulmonary. A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2022 Jul 19;328(3):251-258.

担当:後期研修医 藤井

今回の論文は人工心肺を使用する心臓手術患者を対象に、人工心肺回路のプライミング・術中〜術後24時間までの輸液を4%アルブミンで行った場合と、リンゲルを用いた場合での術後合併症の発生を比較したRCTでした。
主要評価項目である複合アウトカムは2群で差はありませんでした。しかし、内訳を詳しく見るとCK-MB上昇例は有意に少なかったものの出血・再開胸・感染についてはアルブミン群で多かったという結果でした。
会場からは、アルブミンが白血球の遊走能が低下し感染リスクに関わる可能性や、グリコカリックスが障害されている重症患者ではアルブミン製剤の使用により浮腫を助長する可能性があるとの指摘が出ました。

今回の論文の結果からも心臓手術患者にアルブミンを積極的に使用する理由は乏しく、コスト面でもリンゲルに比べ高価なため限られた場面での使用に留めるべき、と考えます。

亀田総合病院 麻酔科 後期研修医 藤井

このサイトの監修者

亀田総合病院
麻酔科主任部長 小林 収

【専門分野】
麻酔、集中治療