ASA annual meeting 2022に参加して(3)

後期研修医の金です。この度はアメリカ麻酔科学会に参加し、貴重な体験ができましたので感想をシェアさせていただきます。

私は今までに国際学会で発表する機会はありましたがCOVID-19の関係で参加できず悔しい思いをしていました。
ようやくCOVID-19が落ち着いてきたこのタイミングに、国際学会に演題を出し発表ができたのは実に嬉しかったです。
今回行かせていただいたのはアメリカ麻酔科学会の2022年学術総会で、場所はアメリカ南部にある港町のニューオーリンズでした。主に3つの感動を覚えました。

まずは学会で有名な先生方のご講演を直接に聞けたことです。
昨年のNEJMで発表された大腿骨頸部骨折において全身麻酔・脊髄くも膜下麻酔を比較したRCTが非常に注目された研究で、当科でも朝の抄読会で大いに取り上げた結果、議論で大変盛り上がっていた記憶が鮮明に残っています。
そのRCTの筆頭著者であるNewman先生が、なんと目の前に話をされるとは思いませんでしたし、これから臨床研究に取り組みたい自分にとっては大きな刺激となりました。

次はASAで発表できたことです。
亀田では年間麻酔科管理件数が8000件以上あり、症例のバリエーションに富んでいます。
今まで対応に困った症例、特殊な症例を含めて国際学会に出せるものを何件も経験しております。
今回はEXIT procedure下での帝王切開症例を、Medically Challenging Casesというセッションで発表させていただきました。ファシリテーターの先生はミシガン大学病院の小児麻酔・小児心臓麻酔のご専門の方で、EXIT procedure時の麻酔の注意点について教えていただきました。空き時間に雑談もでき、さらに学会終了後にもメールでおすすめの論文を送っていただきました。

3つ目は数年ぶりに海外に行けたことです。
アメリカではCOVID-19に対する制限が少なく、現地では誰もマスクをしていませんでした。一緒に学会に参加した同僚の笑顔を見たのも久しぶりな気がします。世界が少しずつ元通りに戻っている実感をしました。

最後に、このような機会を与えていただいた麻酔科、手術部、外科部門の皆様に感謝申し上げます。これからも勉強に励み、より安全安心な麻酔を提供できるよう精進いたします。


亀田総合病院 麻酔科 後期研修医 金

このサイトの監修者

亀田総合病院
麻酔科主任部長 小林 収

【専門分野】
麻酔、集中治療