がん患者さまは、感染症が重症化しやすくなります。ワクチンで感染症を予防してがん治療の中断を防ぎましょう。
- 肺炎球菌ワクチン(年齢制限なし 1回接種)
- RSウイルスワクチン(50歳以上 1回接種)
- 帯状疱疹ワクチン(18歳以上 2回接種 ※2回目は1~2ヶ月後)
- 新型コロナワクチン(年齢制限なし 年に1回以上)
- インフルエンザワクチン(年齢制限なし 毎年シーズン前)
- ワクチン接種を希望の方は主治医にご相談ください。
- ワクチンの詳しい説明や、家族への接種については感染症内科外来を受診ください。
2025年10月時点
亀田総合病院 ・亀田クリニック
肺炎球菌ワクチン
年齢制限なし 1回接種
なぜ必要?
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌という細菌による肺炎を予防するワクチンです。肺炎球菌は、肺炎以外にも髄膜炎や血流感染症などの重篤な感染症を引き起こします。がん治療中の方は普通の人より、肺炎球菌感染症にかかりやすく、重症になりやすいです。
他のワクチンについて
ニューモバックス® というワクチンもありますが、プレベナー20® の方が効果が高いとされています。
過去にニューモバックス® を接種したことがある方は、1 年以上あけてプレベナー20® を追加で接種することをお勧めします。その他の肺炎球菌ワクチン(プレベナー13®、バクニュバンス®)を過去に接種したことがある方は、追加接種の必要性について医師にご相談ください。
RSウイルスワクチン
50歳以上 1回接種
なぜ必要?
RSウイルス感染症は、 健康な成人の場合、軽症で風邪のような症状のみで軽快しますが、がん患者さまの場合は肺炎を発症し入院が必要になることがあります。RSウイルス感染症に対する治療はありませんので、予防が大切になります。
帯状疱疹ワクチン
18歳以上 2回接種 2回目は1~2ヶ月後
なぜ必要?
子どもの頃にかかった水ぼうそう(水痘)のウイルスが、体の神経の中にずっと隠れています。疲れたり免疫力が下がったりすると、このウイルスが活動を再開して帯状疱疹を発症します。皮膚にブツブツができ、とても痛い病気で、痛みが何ヶ月も続くことがあります。がん治療中の方は特に帯状疱疹になりやすいので、予防が大切です。
他のワクチンについて
帯状疱疹のワクチンには、不活化ワクチン(シングリックス®)と生ワクチンがありますが、生ワクチンはがんの治療によって免疫の低下している方には接種できません。過去に帯状疱疹予防として生ワクチンを接種したことがある人にも、追加でシングリックス® の接種を推奨します。
新型コロナワクチン
年齢制限なし 年に1回以上
なぜ必要?
がん患者さまでは、酸素投与や入院が必要になる肺炎を発症するリスクが高くなります。年に1回以上接種することで重症化を防ぐ効果や、コロナ罹患後症状(後遺症)を軽減する効果があります。
感染したときは
ワクチン接種後でも新型コロナに感染することがあります。感染した場合は、重症化を防ぐ薬の必要性について主治医とご相談ください。
ご家族の皆様へ
がん治療中のご家族を守るために、一緒に住んでいるご家族にも、新型コロナワクチンの接種を推奨します。
インフルエンザワクチン
年齢制限なし 毎年シーズン前
なぜ必要?
がん治療中の方は、インフルエンザにかかると酸素投与や入院が必要になることがあります。ワクチンを接種することで、インフルエンザにかかりにくくなり、かかっても軽症で済みます。流行するインフルエンザウイルスの種類は年によって変わることがあるので、毎年のワクチン接種が大切です。
感染したときは
ワクチン接種後でもインフルエンザに感染することがあります。感染した場合は、重症化を防ぐ薬の必要性について主治医とご相談ください。
ご家族の皆様へ
がん治療中のご家族を守るために、一緒に住んでいるご家族にも、インフルエンザワクチンの接種を推奨します。
レジメン登録委員会・感染症内科 監修
