
心臓は全身に血液を送るポンプです。このポンプは電気の信号で動きます。通常は心臓の右上の部屋から電気の信号が出て、電気信号が下の部屋まで流れると心臓が動きます。この電気信号が乱れるものを不整脈といい、不整脈にはいくつもの種類があります。
不整脈は動悸が主な症状ですが、めまい、息切れ、疲れやすさが症状の方もいます。脈が乱れる、または脈拍が遅くもしくは速くなることが特徴です。症状がある時にしか診断がつかないことが多いので症状を自覚したら早めに受診をお勧めします。脈拍をご自身でチェックして乱れていたり、脈拍が非常に遅くもしくは速くなったりする場合には不整脈である可能性が高いです。
心房細動
不整脈の中で最近日本人にとても増えているのが心房細動です。異常な電気信号が左上の部屋(左心房)につながる肺静脈から出て、心房細動を起こします。病気が進行すると、肺静脈以外の様々な場所から不整脈が起こることもあります。
心房細動は動悸、息切れ、胸の圧迫感、疲れやすさを起こすこともあれば、無症状でたまたま気づかれる人もいます。症状の有無に関わらず、心房細動は心不全、脳梗塞、認知症、弁膜症などに強く関係しているため、治療が必要な不整脈です。
心房細動の治療
治療には3つの方法があり、3つを組み合わせて患者さんごとの適切な治療を行っていきます。
1つ目は血液サラサラの薬です。心房細動は脳梗塞を起こしやすい不整脈なので、特に高齢の方、心不全や脳梗塞を起こしたことのある方、糖尿病や高血圧がある方は脳梗塞予防が重要になります。
2つ目は不整脈そのものを抑えたり脈を安定にしたりする薬です。この薬により自覚症状を和らげたり、心臓にかかる負担を軽くしたりします。
3つ目はカテーテルアブレーションです。心房細動の元となる部分に温度の変化を起こしたり強い電場をかけたりして、心房細動を元に戻し、かつ再発予防の効果がある治療です。現在ではカテーテルアブレーション治療が、薬だけの治療よりも効果があり、長期的に優れていることが分かっています。
治療の推奨
心房細動が起こり始めてから早期に治療した方が、治療効果が高いことが知られています。心房細動の続いている時間や心臓の状態によっては、アブレーション治療が複数回必要になる方もいます。発作性といって心房細動が出たり治まったりする早期の段階で治療した方が、持続性といって心房細動がずっと続く状態で治療するよりも1回のアブレーションだけで終わる可能性は高くなります。アブレーション治療を検討する場合は、医師と相談して適切なタイミングで治療をしていきましょう。
生活改善
最後に、心房細動は生活習慣と強く関係しています。高血圧、糖尿病、肥満、睡眠時無呼吸(いびき)などがあれば、これらを改善させることでアブレーション治療後の再発リスクを下げることもできます。心房細動そのものへの治療とともに、生活改善も行って心房細動を予防していきましょう。

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