かめだPOST 顎変形症)危険なイビキの見極め方

前回は「イビキ」は、よく寝ているのではなく、“苦しんでいる”サインであることをお伝えしました。今回は、「イビキ」を深く掘り下げて科学します。

さて、「イビキ」には、鼻の奥で発生する「鼻イビキ」と、のどの奥で起きる「舌イビキ」があります。
どちらも気道が狭くなっている時に起こりますが、

鼻イビキ の場合は
アレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲症、鼻たけ、慢性副鼻腔炎などの鼻づまりなどが関連している場合があります。春先などの花粉症の時期には多くみられ、よく眠れないことが多いといわれています。“ 春眠暁を覚えず” という諺がありますが、これは、春は眠り心地が良いため朝になったことに気付かず、なかなか目が覚めないことを歌った漢詩ですが、現代では、花粉症→鼻づまり→「イビキ」により安眠できないために朝が起きられないというヒトも多いのではないでしょうか?

舌イビキ の場合は
舌の根っこの部分が沈んでしまう舌根沈下によって引き起こされます。加齢によって舌の筋力が低下またはゆるむことで、舌が下がり、同時に口蓋垂のまわりの部分も垂れ込むようになります。これは、舌根部と咽頭部は口蓋舌筋で動きが連動しているためです。顎が小さいと気道はより狭くなり、大きな「イビキ」の原因となります。また、大きな特徴として、「舌イビキ」は口が開いている時に多くなります。ヒトの本来の睡眠時の呼吸は鼻呼吸が良いとされていますが、寝ているときは噛む筋肉もゆるんで口を開けて寝てしまうヒトが多いと思います。まずは口を閉じて鼻で呼吸する習慣をつけることが大切です。

また、「イビキ」は、普通は息を吸うときに起こりやすいといわれています。これは、息を吸っているときは気流により気道周囲の軟組織が引き込まれやすくなり、舌も気道方向に落ちやすくなっています。お酒を飲んだ後「イビキ」がひどくなるのは、お酒により、顎の筋肉や気道周囲の軟組織がゆるんで、口で息をすることが多くなるからです。

それは、息を吐いている時にもイビキをかく場合です。残念ながら「重症」で、危険ないびきです。多くは過度に肥満であること、鼻になんらかの器質的な問題があること、中枢性の問題が隠れていることなどが予想されます。すなわち、「イビキ」はとても重要な危険を知らせるシグナルであるとともに健康な生活を送るうえでの大切な指標になるのです。

顎変形症治療センターのご案内
監修者
歯科口腔外科顧問・顎変形症治療センターセンター長・歯科診療科顧問
外木 守雄

【専門分野】
咬み合わせの不具合を治す専門家です。特にあごが小さいことでいびきがひどい方、ご相談下さい。

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