注目論文:超加工食品の摂取は肺がんリスクを増加させる可能性
呼吸器内科
超加工食品(UPF)と肺がんリスクの関連を示した大規模コホート研究です。肺がんの最大の危険因子が喫煙であることは論を俟ちませんが、本研究は食生活という修正可能な因子も重要であることを示唆しています。UPFの摂取量が最も多い群では、最も少ない群に比べ肺がんリスクが約1.4倍と報告されており、これは非小細胞肺がん、小細胞肺がんともに同様の傾向でした。食事全体の質や喫煙歴など多くの交絡因子を調整しても結果は頑健であり、臨床現場で患者さんに生活習慣指導を行う際の新たな視点となり得るでしょう。観察研究のため因果関係の証明にはさらなる研究が必要ですが、UPFを控えることは肺がん予防においても有益である可能性が示されました。
Association between ultra-processed food consumption and lung cancer risk: a population-based cohort study
超加工食品の摂取と肺がんリスクの関連:集団ベースのコホート研究
Wang K, Zhao J, Yang D, Sun M, Zhou W, Wu Y.
Thorax. 2025 Jul 29:thorax-2024-222100.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40730472/
超加工食品の摂取と肺がんリスクの関連:集団ベースのコホート研究
Wang K, Zhao J, Yang D, Sun M, Zhou W, Wu Y.
Thorax. 2025 Jul 29:thorax-2024-222100.
背景:
超加工食品(UPF: ultra-processed foods)と肺がんリスクの関連に関するエビデンスは限定的で一貫性がありません。本研究は、UPFが肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、および小細胞肺がん(SCLC)のリスク増加と関連するかを調査しました。
研究デザイン:
本研究の参加者データは、前立腺・肺・大腸・卵巣がんスクリーニング試験(PLCO: Prostate, Lung, Colorectal and Ovarian Cancer Screening Trial)から収集されました。食事摂取量は、妥当性が検証された食事歴質問票を用いて評価されました。これらの食品は、PLCOがんスクリーニングコホートにおいて、加工度に応じてNOVA分類を用いて分類されました。すべての新規肺がん症例は病理学的に確認されました。肺がんに関連する主要なリスク因子や食事全体の質など、様々な潜在的交絡因子を調整した後、UPFの摂取と肺がんとの関連を評価するために多変量Cox回帰分析が用いられました。
結果:
101,732人の成人(平均年齢62.5歳)を対象に、平均12.2年の追跡期間中に、1706例の肺がん症例(NSCLC 1473例、SCLC 233例を含む)が確認されました。多変量調整後、UPFの摂取量が最も多い四分位群の個人は、最も少ない四分位群と比較して、肺がん(ハザード比[HR]=1.41、95%信頼区間[CI] 1.22~1.60)、NSCLC(HR=1.37、95% CI 1.20~1.58)、およびSCLC(HR=1.44、95% CI 1.03~2.10)のリスクが高いことが示されました。これらの結果は、広範なサブグループ分析および感度分析後も統計的に有意なままでした。
結論:
UPFのより高い摂取は、肺がん、NSCLC、およびSCLCのリスク増加と関連しています。他の集団や環境での追加研究が必要ですが、これらの知見は、UPFを制限することの健康上の利点を示唆しています。
超加工食品(UPF: ultra-processed foods)と肺がんリスクの関連に関するエビデンスは限定的で一貫性がありません。本研究は、UPFが肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、および小細胞肺がん(SCLC)のリスク増加と関連するかを調査しました。
研究デザイン:
本研究の参加者データは、前立腺・肺・大腸・卵巣がんスクリーニング試験(PLCO: Prostate, Lung, Colorectal and Ovarian Cancer Screening Trial)から収集されました。食事摂取量は、妥当性が検証された食事歴質問票を用いて評価されました。これらの食品は、PLCOがんスクリーニングコホートにおいて、加工度に応じてNOVA分類を用いて分類されました。すべての新規肺がん症例は病理学的に確認されました。肺がんに関連する主要なリスク因子や食事全体の質など、様々な潜在的交絡因子を調整した後、UPFの摂取と肺がんとの関連を評価するために多変量Cox回帰分析が用いられました。
結果:
101,732人の成人(平均年齢62.5歳)を対象に、平均12.2年の追跡期間中に、1706例の肺がん症例(NSCLC 1473例、SCLC 233例を含む)が確認されました。多変量調整後、UPFの摂取量が最も多い四分位群の個人は、最も少ない四分位群と比較して、肺がん(ハザード比[HR]=1.41、95%信頼区間[CI] 1.22~1.60)、NSCLC(HR=1.37、95% CI 1.20~1.58)、およびSCLC(HR=1.44、95% CI 1.03~2.10)のリスクが高いことが示されました。これらの結果は、広範なサブグループ分析および感度分析後も統計的に有意なままでした。
結論:
UPFのより高い摂取は、肺がん、NSCLC、およびSCLCのリスク増加と関連しています。他の集団や環境での追加研究が必要ですが、これらの知見は、UPFを制限することの健康上の利点を示唆しています。