呼吸器内科は、肺を通して体全体を見て、全人的医療を行う診療科です。診療の幅が非常に広く、肺炎・結核などの感染症、肺癌など悪性腫瘍から、間質性肺疾患、COPD・気管支喘息などの閉塞性肺疾患、過敏性肺炎などのアレルギー性疾患、じん肺など職業性肺疾患から、睡眠時無呼吸症候群まで内科の様々な領域を含みます。さらに、呼吸器疾患は、重症肺炎、間質性肺炎急性増悪など急性期病態から、COPDや気管支喘息の安定期の管理、肺癌終末期の緩和医療など、急性期から慢性期まで診療します。
　
　私はもともと総合内科医になることを考えていましたが、呼吸器という専門性を持ちながらも、総合内科的に全身が診られることを魅力に感じ、呼吸器内科を自分の専門に決めました。そして、医師として19年間働いてきましたが、呼吸器内科領域は常に様々な領域が日進月歩で、勉強することも多く、学問として学び続けることにおいて日々充実しています。そして、患者さんの呼吸器疾患を改善し、病気に改善や健康に貢献していく日々は喜びで満ち溢れています。このホームページでは，若手医師に向けて呼吸器内科の魅力を伝えていきたいと考えております。

　このカテゴリーでは、呼吸器内科領域における注目論文を中心に呼吸器内科の最新情報を配信します。

臨床研究とは、日常診療から生じる「Clinical Question（CQ）」を科学的に検証し、その疑問を解明する作業を指します。具体的には、「〇〇は実は××ではないか？」といった疑問を、データ収集や解析を通じて検証し、患者に対してより良い医療を提供することを目的としています。

　臨床研究の最大の魅力は、エビデンスの構築を通じて医学の進歩に貢献できる点です。日常の診療から得られた知見をデータとして収集・解析し、その結果を科学的根拠として提示することで、医療の質の向上を図り、患者の治療やケアに直結する成果を得ることができます。さらに、研究結果が国際的なガイドラインに反映される可能性もあるため、世界中の患者に対して貢献できるチャンスも広がります。たとえ小規模な研究であっても、その成果を論文として発表することで、次の大規模な研究につながる可能性があります。CQを検証し、その成果を論文化することによる喜びは非常に大きなものです。臨床研究は、日々の臨床実践をより充実したものにしてくれるのです。

　また、臨床研究に取り組むことで、医師としての臨床能力も飛躍的に向上します。臨床研究を通して、患者の理学所見、検査データ、画像をみて多くの患者を疑似体験することができます。自分で研究をして論文を書くと、他の論文が深く読めるようになります。関連分野の論文を多く読むことで知識が増加します。症例報告では科学的視点から症例を評価し、原著論文では臨床疫学に基づく論理的な考察が求められます。こうした経験は、論理的思考能力を安なうことができるのです。

　このカテゴリーでは、臨床研究の魅力や実践法について発信していきます。

　臨床医は多忙で、自由に使える時間が限られています。それにもかかわらず、後輩の指導、自己研鑽、学会での発表など、やらなければならないことは数多くあります。多くの臨床医が、時間が足りないと感じ、焦りを覚えているのではないでしょうか。私自身も、臨床医としての業務と並行して教育や研究に取り組む中で、時間不足に悩まされることが度々あります。それでも、試行錯誤を重ねて工夫を続けることで、まだ道半ばではありますが、ある程度の成果や組織作りを実現することができました。
　
　人生は一度きりです。その一度の人生で、限られた時間をどう使って自己実現を果たすかは、全ての臨床医が関心を持つテーマだと思います。このカテゴリーでは、臨床医が限られた時間を最大限に活用するための仕事術やライフハックについて、私の経験をもとにお伝えしていきたいと考えています。

　私は、亀田総合病院で長らく医学教育に携わってきました。その経験に基づき、若手医師や医学生へのメッセージや、教育のアプローチについて自分の経験を基にした役立つ内容をこのカテゴリーで掲載します。
自分自身が、医学生時代、研修医時代は低空飛行組みであり、スランプを経験するなどたくさんのことを悩んできました。また、亀田総合病院で、多くの若手医師と接し、彼らが抱える悩みや課題に共感してきました。その経験を活かして、彼らが直面する困難を乗り越え、成長していくための具体的なアドバイスや指導法について紹介しています。また、単なる知識の伝達にとどまらず、臨床現場での実践的な教育スキルの育成や、医師としての心構えについても触れていきます。医学生には、医学の基礎知識を深めるだけでなく、将来のキャリアに向けた準備の一環として、実践的な視点からも役立つ情報を提供したいと考えています。

　私は臨床医としての業務に従事する傍ら、東京財団政策研究所にも所属し、医療政策に関する研究にも取り組んでいます。現場の臨床経験を活かし、患者に最も適した医療提供を実現するために、医療政策の視点からどのような改善が可能かを模索しています。特に、少子高齢化や医療費の増加といった日本特有の課題に対応するため、持続可能な医療制度の構築に向けた政策提言を行うことが重要だと感じています。

　具体的には、医師の働き方改革や医療現場の効率化、さらには医療の質の向上を目指した研究を進めており、これらを基にした政策提案を行うことで、現場の臨床医が直面する課題を解決する手助けをしたいと考えています。また、医療従事者のメンタルヘルスや職場環境の改善に関する研究にも関心を持っており、これらのテーマを通じて医療現場の持続可能性を高める取り組みを行っています。私の研究は、医療現場と政策立案の橋渡しを目指し、実際の医療提供における課題を解決するための具体的なアプローチを模索するものです。医療政策に関連した私の取り組みも、このホームページでは紹介していければと考えております。

このカテゴリーでは、私の日々の活動、亀田総合病院呼吸器内科の仲間たちとの活動などを共有したいと思います。