注目論文:現代における侵襲性アスペルギルス症:診断技術の進歩と課題

呼吸器内科
近年の診断技術の進歩により、これまで認識されていなかった「クリプティック(cryptic:「これまで認識されていなかった」という意味)」なアスペルギルス種が新たに同定されるようになりました。DNAシークエンシングやMALDI-TOF MSなどの技術革新がこれに貢献しています。侵襲性アスペルギルス症(IA)は依然として重要な健康問題であり、リスク患者層も拡大しています。本論文はIAの疫学、リスク因子、病態生理、臨床像、診断、治療に関する最新の知見をまとめた重要なレビューです。
Invasive Aspergillosis in the Current Era
現代における侵襲性アスペルギルス症
Herrera S, Magyar U, Husain S.
Infect Dis Clin North Am. 2025 Mar 28(25)00002-9.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40157842/
アスペルギルス症は、進化する疫学と拡大するリスク患者集団を伴い、著しい進歩にもかかわらず重大な健康上の懸念であり続けています。歴史的に、臨床的に重要とされるアスペルギルス種は10種未満でした。しかし、DNAシーケンシングやマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析などの診断技術の進歩により、これまで認識されていなかった「クリプティック」なアスペルギルス種が同定されています。この臨床レビューは、現在の疫学、リスク要因、病因、臨床的表現、診断、および侵襲性アスペルギルス症(IA)の治療に焦点を当てています。IAの診断には、臨床評価、画像診断、微生物培養、血清学的検査、および先進的な分子技術を統合した多面的なアプローチが必要です。