注目論文:RSVワクチンと高齢者における心房細動リスク関連性の大規模調査

呼吸器内科
臨床試験でRSVワクチン接種後に心房細動の頻度上昇が報告されていましたが、本研究では大規模な実臨床データからその関連性を否定する結果が示されました。傾向スコアマッチングを用いた厳密な方法論で、RSVワクチン接種後1-42日間の新規発症・再発性心房細動リスクがインフルエンザ・Tdapワクチンと比較して上昇しないことが明らかになりました。高齢者へのRSVワクチン接種が進む中、安全性に関する重要なエビデンスであり、ワクチン忌避を減らす根拠になります。
Atrial Fibrillation After Respiratory Syncytial Virus Vaccination Among Older Adults
高齢者におけるRSVワクチン接種後の心房細動
Morgan Birabaharan, Scott T Johns, David C Kaelber, Thomas C S Martin, Sanjay R Mehta
Clinical Infectious Diseases, 2024;, ciae649
https://doi.org/10.1093/cid/ciae649
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)ワクチンの臨床試験では、対照群と比較して介入群で心房細動の頻度が高いことが報告されました。この大規模な集団ベースの傾向スコアマッチング研究では、RSVワクチンは、インフルエンザワクチンや破傷風・ジフテリア・百日咳(Tdap)ワクチンと比較して、接種後1〜42日以内の新規発症または再発性心房細動のリスク増加と関連していないことが分かりました。