注目論文:イスラエルにおけるPCV導入後の小児RSV陽性肺胞性肺炎の減少
呼吸器内科
肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)の導入が、小児のRSウイルス陽性市中肺胞性肺炎(RSV-CAAP)に与える影響を評価した興味深い研究です。PCV13導入後に全肺胞性肺炎およびRSV陽性肺胞性肺炎の入院率が著明に減少したことが示されており、PCVが直接の標的である肺炎球菌感染症だけでなく、RSVとの相互作用による肺炎にも影響を与えている可能性が示唆されました。特に12-23ヶ月児での効果が顕著であった点も注目です。この結果は、小児の重症肺炎におけるRSVと肺炎球菌の相乗的な役割を支持する所見であり、PCVの幅広い公衆衛生上の利点を示すものと考えられます。
Decline of community-acquired alveolar pneumonia positive for respiratory syncytial virus in hospitalized children following implementation of PCV in Israel
イスラエルにおけるPCV導入後の入院小児におけるRSウイルス陽性市中肺胞性肺炎の減少
Dagan R, van der Beek BA, Grupel T, Greenberg D, Keren-Naus A, Ben-Shimol S, Weinberger DM.
Clin Infect Dis. 2025 Mar 7:ciaf102.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40052957/
イスラエルにおけるPCV導入後の入院小児におけるRSウイルス陽性市中肺胞性肺炎の減少
Dagan R, van der Beek BA, Grupel T, Greenberg D, Keren-Naus A, Ben-Shimol S, Weinberger DM.
Clin Infect Dis. 2025 Mar 7:ciaf102.
背景:
イスラエル南部の幼児におけるRSウイルス陽性市中肺胞性肺炎(RSV-CAAP)に対する肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)導入の影響を評価しました。
研究デザイン:
本研究は、2004年から2019年にかけての前向き人口ベースの積極的サーベイランスシステム内に組み込まれました。対象地域に居住し、地域唯一の病院を利用する60か月未満のすべての小児が含まれました。負の二項回帰モデルを使用して、全原因CAAおよびRSV-CAAPの発生率に対するPCVの影響を評価し、回避されたエピソードを推定する基礎としました。
結果:
7,640件の全原因CAAP症例が観察され、そのうち50%がRSVの検査を受け、42%が陽性でした。PCV13導入直後、全原因CAAPとRSV-CAAPの発生率は著しく減少し、3-4年以内に安定しました。全原因CAAPとRSV-CAAPの平均年間入院率は、期待される率と比較して、PCV後期期間中にそれぞれ47%(95%CI:40%;53%)と29%(95%CI:-2%;51%)減少しました。これは、全原因CAAPの平均年間発生率が1,000人あたり3.73例(95%CI:2.98;4.58)、RSV-CAAPが1,000人あたり0.50例(95%CI:-0.05;1.13)減少したことに相当します。回避された症例の発生率が最も高かったのは12-23か月の小児でした。
結論:
PCV導入後の全原因CAAPおよびRSV-CAAPによる入院の観察された動態は、幼児のCAAPにおけるRSVと肺炎球菌の相乗的役割という概念と一致しています。
イスラエル南部の幼児におけるRSウイルス陽性市中肺胞性肺炎(RSV-CAAP)に対する肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)導入の影響を評価しました。
研究デザイン:
本研究は、2004年から2019年にかけての前向き人口ベースの積極的サーベイランスシステム内に組み込まれました。対象地域に居住し、地域唯一の病院を利用する60か月未満のすべての小児が含まれました。負の二項回帰モデルを使用して、全原因CAAおよびRSV-CAAPの発生率に対するPCVの影響を評価し、回避されたエピソードを推定する基礎としました。
結果:
7,640件の全原因CAAP症例が観察され、そのうち50%がRSVの検査を受け、42%が陽性でした。PCV13導入直後、全原因CAAPとRSV-CAAPの発生率は著しく減少し、3-4年以内に安定しました。全原因CAAPとRSV-CAAPの平均年間入院率は、期待される率と比較して、PCV後期期間中にそれぞれ47%(95%CI:40%;53%)と29%(95%CI:-2%;51%)減少しました。これは、全原因CAAPの平均年間発生率が1,000人あたり3.73例(95%CI:2.98;4.58)、RSV-CAAPが1,000人あたり0.50例(95%CI:-0.05;1.13)減少したことに相当します。回避された症例の発生率が最も高かったのは12-23か月の小児でした。
結論:
PCV導入後の全原因CAAPおよびRSV-CAAPによる入院の観察された動態は、幼児のCAAPにおけるRSVと肺炎球菌の相乗的役割という概念と一致しています。