カナダで最近承認された21価肺炎球菌結合型ワクチン（PCV21）の費用対効果分析が報告されました。現在のワクチン推奨（PCV20）と比較して、特に血清型分布によってはPCV21が費用対効果に優れる可能性が示されました。

背景：
21価肺炎球菌結合型ワクチン（PCV21）は、成人の侵襲性肺炎球菌感染症（IPD）から保護するために最近カナダで承認されました。

研究デザイン：
静的コホートモデルを使用して、異なる年齢とリスクグループの成人に対する現在のカナダのワクチン接種推奨と比較したPCV21の生涯増分費用対効果比（ICERs）を推定しました。分析は33歳（18-49歳の中間点）、50歳、65歳の集団コホートを対象に、医療システムおよび社会的観点から、1.5%の割引率で2023年カナダドルあたりの質調整生存年（QALY）を算出しました。主要分析は2022年のIPD症例の血清型分布を使用しました。追加解析では、小児ワクチン接種からの間接効果を組み込み、2015年から2019年のIPD血清型分布を使用して、一部の年齢グループで観察された経時的変化の影響を調査しました。

結果：
現在カナダでPCV20の接種が推奨されている集団（65歳以上、IPDの追加リスク要因を持つ50-64歳、または免疫不全状態の18-49歳）では、PCV21はQALY閾値$50,000で費用対効果が良好であり、PCV21血清型がより一般的であるほとんどのシナリオでPCV20を良好な結果でした。PCV20血清型がPCV21血清型と同等かそれ以上に一般的な場合、結果は間接効果と血清型置換に関する仮定にさらに敏感でした。現在結合型ワクチンが推奨されていないグループ（追加IPDリスク要因のない50-64歳、慢性疾患を持つ18-49歳、またはホームレス集団）では、より高価な結合型ワクチンの使用は非接種と比較して費用対効果の良い介入でしたが、最適なワクチンは対象集団におけるPCV20およびPCV21血清型に起因するIPDの割合に依存していました。ほとんどのシナリオでは、結果はワクチン価格に敏感でした。PCV21の使用は、PCV20およびPCV21でカバーされるIPD血清型の有病率に応じて、一部の集団で費用対効果が良好である可能性があります。