注目論文:閉塞性睡眠時無呼吸症と死亡率の関連:U字型カーブの発見
呼吸器内科
睡眠時無呼吸(SA)の重症度と全死因死亡率の関係について、U字型の関連が示された興味深い研究です。従来、重症SAと死亡リスクの関連は報告されていましたが、本研究では無呼吸低呼吸指数(AHI)が5未満の「SA無し」群でも死亡率が高いことが示されました。17万人以上の退役軍人データを用いた大規模研究であり、年齢階層別の解析でも一貫した結果が得られています。軽度から中等度のSA(AHI 5-30)が最も死亡率が低く、これは治療による効果や病態生理学的な保護因子の存在を示唆する可能性があります。
The Association between All-cause Mortality and Obstructive Sleep Apnea in Adults: A U-Shaped Curve
成人における全死因死亡率と閉塞性睡眠時無呼吸との関連:U字型カーブ
Azarian M, Ramezani A, Sharafkhaneh A, Maghsoudi A, Kryger M, Thomas RJ, Westover MB, Razjouyan J.
Ann Am Thorac Soc. 2025 Jan 2.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39746198/
成人における全死因死亡率と閉塞性睡眠時無呼吸との関連:U字型カーブ
Azarian M, Ramezani A, Sharafkhaneh A, Maghsoudi A, Kryger M, Thomas RJ, Westover MB, Razjouyan J.
Ann Am Thorac Soc. 2025 Jan 2.
背景:
睡眠時無呼吸(SA)と死亡率の関係は議論の的となっています。我々は、SAの重症度と死亡率の関係、およびこの関連に対する年齢の影響を探究しました。
研究デザイン:
退役軍人データベースを使用し、自然言語処理(NLP)パイプラインを開発して睡眠検査の医師の解釈から無呼吸低呼吸指数(AHI)を抽出しました(944の手動注釈付きノートで85%以上の精度を達成)。参加者をSA無し(n-SA、AHI<5)、軽度から中等度SA(m-SA、5≤AHI<30)、重度SA(s-SA、AHI≥30)にカテゴリ分けしました。年齢、性別、人種、民族、BMI、およびElixhauser併存疾患指数の38要素に基づいて、m-SAとs-SAカテゴリをn-SAと傾向スコアマッチングしました。ロジスティック回帰を用いて、m-SAを参照として全死因死亡率のオッズ比(OR)を推定しました。また、年齢に基づいて結果を層別化しました:若年(≤40歳)、中年(>40歳、<65歳)、高齢(≥65歳)。
結果:
179,121名の傾向スコアマッチングされた参加者(年齢45.85±14.1歳、BMI 30.15±5.37 kg/m²、79.09%男性、64.5%白人)のAHIを抽出しました。3つのAHIカテゴリ間の全死因死亡率は、年齢層に関係なくU字型カーブを示しました(n-SA、m-SA、s-SAでそれぞれ11.55%、7.07%、8.15%)。m-SAと比較して、n-SA(OR、1.72;95%CI:1.65-1.79)とs-SA(OR、1.17;95%CI:1.12-1.22)の全死因死亡のオッズが高くなりました。年齢層別の分析でも一貫した結果が得られました。全死因死亡率はAHIとU字型の関連を示しました。この現象の根本的なメカニズムを理解するためのさらなる調査が必要です。
睡眠時無呼吸(SA)と死亡率の関係は議論の的となっています。我々は、SAの重症度と死亡率の関係、およびこの関連に対する年齢の影響を探究しました。
研究デザイン:
退役軍人データベースを使用し、自然言語処理(NLP)パイプラインを開発して睡眠検査の医師の解釈から無呼吸低呼吸指数(AHI)を抽出しました(944の手動注釈付きノートで85%以上の精度を達成)。参加者をSA無し(n-SA、AHI<5)、軽度から中等度SA(m-SA、5≤AHI<30)、重度SA(s-SA、AHI≥30)にカテゴリ分けしました。年齢、性別、人種、民族、BMI、およびElixhauser併存疾患指数の38要素に基づいて、m-SAとs-SAカテゴリをn-SAと傾向スコアマッチングしました。ロジスティック回帰を用いて、m-SAを参照として全死因死亡率のオッズ比(OR)を推定しました。また、年齢に基づいて結果を層別化しました:若年(≤40歳)、中年(>40歳、<65歳)、高齢(≥65歳)。
結果:
179,121名の傾向スコアマッチングされた参加者(年齢45.85±14.1歳、BMI 30.15±5.37 kg/m²、79.09%男性、64.5%白人)のAHIを抽出しました。3つのAHIカテゴリ間の全死因死亡率は、年齢層に関係なくU字型カーブを示しました(n-SA、m-SA、s-SAでそれぞれ11.55%、7.07%、8.15%)。m-SAと比較して、n-SA(OR、1.72;95%CI:1.65-1.79)とs-SA(OR、1.17;95%CI:1.12-1.22)の全死因死亡のオッズが高くなりました。年齢層別の分析でも一貫した結果が得られました。全死因死亡率はAHIとU字型の関連を示しました。この現象の根本的なメカニズムを理解するためのさらなる調査が必要です。