注目論文:2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬のCOPD増悪予防効果の比較
呼吸器内科
COPD合併2型糖尿病患者において、SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬がDPP-4阻害薬と比較してCOPD増悪リスクを有意に低下させることが示されました。
Glucose-Lowering Medications and Risk of Chronic Obstructive Pulmonary Disease Exacerbations in Patients With Type 2 Diabetes
2型糖尿病患者における血糖降下薬とCOPD増悪リスクの関連
Ray A, Paik JM, Wexler DJ, Sreedhara SK, Bykov K, Feldman WB, Patorno E.
JAMA Intern Med. 2025 Feb 10:e247811.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39928303/
2型糖尿病患者における血糖降下薬とCOPD増悪リスクの関連
Ray A, Paik JM, Wexler DJ, Sreedhara SK, Bykov K, Feldman WB, Patorno E.
JAMA Intern Med. 2025 Feb 10:e247811.
背景:
最近の研究により、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬がCOPD患者に有益である可能性が示唆されていますが、米国の2型糖尿病患者におけるCOPD増悪との関連性に関する臨床的エビデンスは不足しています。
研究デザイン:
本研究は、40歳以上の2型糖尿病およびCOPD合併患者を対象とした3つの1:1傾向スコアマッチングコホート研究です。米国の3つの保険請求データベース(Optum、IBM Health MarketScan、Medicare)を用いて、SGLT2阻害薬対DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬対DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬対GLP-1受容体作動薬の比較を行いました。
結果:
SGLT2阻害薬対DPP-4阻害薬で27,991組、GLP-1受容体作動薬対DPP-4阻害薬で32,107組、SGLT2阻害薬対GLP-1受容体作動薬で36,218組が解析対象となりました。
中央値145日の追跡期間において、SGLT2阻害薬はDPP-4阻害薬と比較してCOPD増悪リスクが低く(100人年あたり9.26対11.4件、ハザード比0.81)、GLP-1受容体作動薬もDPP-4阻害薬と比較して低いリスクを示しました(100人年あたり9.89対11.49件、ハザード比0.86)。
SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の間には有意な差は認められませんでした。この結果は感度分析やサブグループ解析でも一貫していました。
本研究により、2型糖尿病とCOPDを合併する成人患者において、SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬はDPP-4阻害薬と比較して中等度から重症のCOPD増悪リスクを低下させることが示唆されました。この知見は、COPD合併2型糖尿病患者における血糖降下薬の選択に重要な情報を提供するものと考えられます。
最近の研究により、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬がCOPD患者に有益である可能性が示唆されていますが、米国の2型糖尿病患者におけるCOPD増悪との関連性に関する臨床的エビデンスは不足しています。
研究デザイン:
本研究は、40歳以上の2型糖尿病およびCOPD合併患者を対象とした3つの1:1傾向スコアマッチングコホート研究です。米国の3つの保険請求データベース(Optum、IBM Health MarketScan、Medicare)を用いて、SGLT2阻害薬対DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬対DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬対GLP-1受容体作動薬の比較を行いました。
結果:
SGLT2阻害薬対DPP-4阻害薬で27,991組、GLP-1受容体作動薬対DPP-4阻害薬で32,107組、SGLT2阻害薬対GLP-1受容体作動薬で36,218組が解析対象となりました。
中央値145日の追跡期間において、SGLT2阻害薬はDPP-4阻害薬と比較してCOPD増悪リスクが低く(100人年あたり9.26対11.4件、ハザード比0.81)、GLP-1受容体作動薬もDPP-4阻害薬と比較して低いリスクを示しました(100人年あたり9.89対11.49件、ハザード比0.86)。
SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の間には有意な差は認められませんでした。この結果は感度分析やサブグループ解析でも一貫していました。
本研究により、2型糖尿病とCOPDを合併する成人患者において、SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬はDPP-4阻害薬と比較して中等度から重症のCOPD増悪リスクを低下させることが示唆されました。この知見は、COPD合併2型糖尿病患者における血糖降下薬の選択に重要な情報を提供するものと考えられます。