注目論文:2023-2024シーズンのインフルエンザワクチンの有効性評価
呼吸器内科
米国の大規模な医療機関データを用いた研究で、2023-2024シーズンのインフルエンザワクチンが、小児から成人まで、入院および救急外来受診の予防に有効であることが示されました。特にB型インフルエンザに対する予防効果が高かったことは興味深いです。
Influenza vaccine effectiveness against hospitalizations and emergency department or urgent care encounters for children, adolescents, and adults during the 2023-2024 season, United States
2023-2024シーズンにおける小児、青年、成人のインフルエンザ関連入院および救急外来受診に対するワクチンの有効性:米国における研究
Tenforde MW, Reeves EL, Weber ZA, et al.
Clin Infect Dis. 2024 Dec 4:ciae597.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39656838/
2023-2024シーズンにおける小児、青年、成人のインフルエンザ関連入院および救急外来受診に対するワクチンの有効性:米国における研究
Tenforde MW, Reeves EL, Weber ZA, et al.
Clin Infect Dis. 2024 Dec 4:ciae597.
背景:
2023-2024インフルエンザシーズンは、A(H1N1)pdm09ウイルスが優勢でしたが、A(H3N2)およびBウイルスも同時に流行しました。季節性インフルエンザワクチン株は、これらのウイルスとの抗原性の一致度が良好でした。
研究デザイン:
米国8州の医療システムのデータを用いて、2023年10月から2024年4月までのインフルエンザ関連医療機関受診に対するワクチンの有効性を評価しました。テストネガティブデザインを用いて、急性呼吸器疾患患者のうち、分子検査でインフルエンザ陽性(症例)と陰性(対照)の患者間でワクチン接種のオッズを比較し、交絡因子を調整しました。ワクチンの有効性は、年齢群、インフルエンザ型(全体、A型、B型)、受診形態(入院、救急外来/緊急ケア受診)別に層別化して評価しました。
結果:
6ヶ月から17歳の小児・青年における74,000例(入院3,479例、救急外来/緊急ケア受診70,521例)と、18歳以上の成人における267,606例(入院66,828例、救急外来/緊急ケア受診200,778例)が解析対象となりました。小児・青年では、症例の15%(2,758/17,833)、対照の32%(18,240/56,167)がワクチン接種を受けており、成人では症例の25%(11,632/46,614)、対照の44%(97,811/220,992)がワクチン接種を受けていました。ワクチンの有効性は、小児・青年では入院に対して58%(95%信頼区間: 44-69%)、救急外来/緊急ケア受診に対して58%(95%信頼区間: 56-60%)でした。成人では入院に対して39%(95%信頼区間: 35-43%)、救急外来/緊急ケア受診に対して47%(95%信頼区間: 46-49%)でした。全年齢群において、A型と比較してB型インフルエンザに対する有効性が高値でした。2023-2024インフルエンザシーズンにおいて、インフルエンザワクチンは全ての医療機関受診形態および年齢群において、インフルエンザ関連疾患に対する予防効果を示しました。
2023-2024インフルエンザシーズンは、A(H1N1)pdm09ウイルスが優勢でしたが、A(H3N2)およびBウイルスも同時に流行しました。季節性インフルエンザワクチン株は、これらのウイルスとの抗原性の一致度が良好でした。
研究デザイン:
米国8州の医療システムのデータを用いて、2023年10月から2024年4月までのインフルエンザ関連医療機関受診に対するワクチンの有効性を評価しました。テストネガティブデザインを用いて、急性呼吸器疾患患者のうち、分子検査でインフルエンザ陽性(症例)と陰性(対照)の患者間でワクチン接種のオッズを比較し、交絡因子を調整しました。ワクチンの有効性は、年齢群、インフルエンザ型(全体、A型、B型)、受診形態(入院、救急外来/緊急ケア受診)別に層別化して評価しました。
結果:
6ヶ月から17歳の小児・青年における74,000例(入院3,479例、救急外来/緊急ケア受診70,521例)と、18歳以上の成人における267,606例(入院66,828例、救急外来/緊急ケア受診200,778例)が解析対象となりました。小児・青年では、症例の15%(2,758/17,833)、対照の32%(18,240/56,167)がワクチン接種を受けており、成人では症例の25%(11,632/46,614)、対照の44%(97,811/220,992)がワクチン接種を受けていました。ワクチンの有効性は、小児・青年では入院に対して58%(95%信頼区間: 44-69%)、救急外来/緊急ケア受診に対して58%(95%信頼区間: 56-60%)でした。成人では入院に対して39%(95%信頼区間: 35-43%)、救急外来/緊急ケア受診に対して47%(95%信頼区間: 46-49%)でした。全年齢群において、A型と比較してB型インフルエンザに対する有効性が高値でした。2023-2024インフルエンザシーズンにおいて、インフルエンザワクチンは全ての医療機関受診形態および年齢群において、インフルエンザ関連疾患に対する予防効果を示しました。