注目論文:高齢者におけるPPSV23接種後の長期抗体価推移:4年間の追跡調査
呼吸器内科
23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン(PPSV23)は、抗体価が経時的に減衰することが知られています.本研究では,4年間の長期追跡により、PPSV23接種後の抗体価が4年後も基準値以上を維持していることが示されました。特に、BMIが25以上の方や女性で抗体価が高い傾向が認められました。
Long-term antibody trajectories after PPSV23 in elderly: Results from a 4-year follow-up study
高齢者におけるPPSV23接種後の長期抗体価推移:4年間の追跡調査結果
Zhou S, Wang J, Lv M, Lan W, Li J, Bai S, Zhao W, Suo L, Zhang A, Wu J.
Vaccine. 2025 Jan 23;48:126737.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39855106/
高齢者におけるPPSV23接種後の長期抗体価推移:4年間の追跡調査結果
Zhou S, Wang J, Lv M, Lan W, Li J, Bai S, Zhao W, Suo L, Zhang A, Wu J.
Vaccine. 2025 Jan 23;48:126737.
背景:
23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン(PPSV23)は、多くの国で高齢者の肺炎球菌感染症予防のために単独または逐次接種が推奨されており、ワクチン応答と長期持続性の評価が重要です。
研究デザイン:
65歳から70歳の適格者を対象に、PPSV23を1回接種し、2019年11月から2023年12月にかけて、接種前(0日目)、接種後4-6週間、1年後、2年後、3年後、および4年後に採血を実施しました。23種類のワクチン血清型のうち7種類(4、6B、9V、14、18C、19F、23F)について血清型特異的IgG抗体を測定し、Group-based trajectory modeling(GBTM)を用いて接種後の各時点におけるIgG濃度の異なる推移パターンを特定しました。
結果:
4年間の追跡期間中に全6回の受診を完了した237名において、7つの血清型に対する抗体の幾何平均濃度(GMC)は4年後も基準値以上を維持していました。女性およびBMIが25以上の参加者では、7つの血清型全般において接種前後の抗体価が高く、特に血清型6B、18Cで高BMI者、血清型9Vで女性において接種後に有意な差が認められました。GBTMに基づき、血清型4を除く全ての血清型で2〜3種類の異なる抗体価推移パターンが特定され、接種前の抗体価が高い参加者では、接種2年後からの抗体価低下がより急速であることが判明しました。BMI、性別、および接種前抗体価は、高齢者のワクチン接種および再接種戦略を検討する際に考慮すべき要因であることが示唆されました。
23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン(PPSV23)は、多くの国で高齢者の肺炎球菌感染症予防のために単独または逐次接種が推奨されており、ワクチン応答と長期持続性の評価が重要です。
研究デザイン:
65歳から70歳の適格者を対象に、PPSV23を1回接種し、2019年11月から2023年12月にかけて、接種前(0日目)、接種後4-6週間、1年後、2年後、3年後、および4年後に採血を実施しました。23種類のワクチン血清型のうち7種類(4、6B、9V、14、18C、19F、23F)について血清型特異的IgG抗体を測定し、Group-based trajectory modeling(GBTM)を用いて接種後の各時点におけるIgG濃度の異なる推移パターンを特定しました。
結果:
4年間の追跡期間中に全6回の受診を完了した237名において、7つの血清型に対する抗体の幾何平均濃度(GMC)は4年後も基準値以上を維持していました。女性およびBMIが25以上の参加者では、7つの血清型全般において接種前後の抗体価が高く、特に血清型6B、18Cで高BMI者、血清型9Vで女性において接種後に有意な差が認められました。GBTMに基づき、血清型4を除く全ての血清型で2〜3種類の異なる抗体価推移パターンが特定され、接種前の抗体価が高い参加者では、接種2年後からの抗体価低下がより急速であることが判明しました。BMI、性別、および接種前抗体価は、高齢者のワクチン接種および再接種戦略を検討する際に考慮すべき要因であることが示唆されました。