注目論文:無症候性医療従事者における肺炎球菌保菌の検出
呼吸器内科
米国の医療従事者を対象とした研究で、マスク着用が必須とされていた時期においても、約21%の医療従事者が無症候性に肺炎球菌を保菌していたことが報告されました。特に注目すべきは、小児の定期接種プログラムが長期間実施されているにもかかわらず、ワクチンでカバーされている血清型(特に19Fと3型)が成人集団で依然として検出されていることです。
Detection of pneumococcal carriage in asymptomatic healthcare workers
無症候性医療従事者における肺炎球菌保菌の検出
Waghela P, Davis R, Campbell M, et al.
Open Forum Infectious Diseases, 2025; ofaf008
https://doi.org/10.1093/ofid/ofaf008
無症候性医療従事者における肺炎球菌保菌の検出
Waghela P, Davis R, Campbell M, et al.
Open Forum Infectious Diseases, 2025; ofaf008
背景:
医療従事者は肺炎球菌を含む呼吸器病原体への曝露リスクが高い集団です。若年〜中年成人では無症候性保菌は少ないとされてきましたが、これは検査感度の問題である可能性があります。本研究では、唾液検体を用いて大規模な医療従事者コホートにおける肺炎球菌保菌率を調査しました。
研究デザイン:
2020年3月30日から6月11日の期間に、SARS-CoV-2検査のために米国コネチカット州の無症候性医療従事者から自己採取された唾液サンプルを用いて肺炎球菌保菌を評価しました。培養増菌された唾液から抽出したDNAについて、piaB、lytA、および血清型についてqPCRで検査を実施し、piaBのCt値が40未満の場合を肺炎球菌陽性と判定しました。
結果:
研究参加者は22-74歳(平均38.5歳)で、75%が女性、75%が白人でした。職種は看護師(48%)、医師(23%)、看護助手(5%)などでした。4ヶ月の研究期間中、392名中86名(21%)の個人から採取された1241検体中138検体(11%)がpiaB陽性を示し、そのうち28名(33%)が複数回陽性でした。保菌者の特徴は研究対象集団全体を反映していました。肺炎球菌の検出と有意に関連する人口統計学的特徴は認められませんでした。保菌者は主に血清型19F(25.6%)および3型(12.8%)を保有していました。
医療従事者は肺炎球菌を含む呼吸器病原体への曝露リスクが高い集団です。若年〜中年成人では無症候性保菌は少ないとされてきましたが、これは検査感度の問題である可能性があります。本研究では、唾液検体を用いて大規模な医療従事者コホートにおける肺炎球菌保菌率を調査しました。
研究デザイン:
2020年3月30日から6月11日の期間に、SARS-CoV-2検査のために米国コネチカット州の無症候性医療従事者から自己採取された唾液サンプルを用いて肺炎球菌保菌を評価しました。培養増菌された唾液から抽出したDNAについて、piaB、lytA、および血清型についてqPCRで検査を実施し、piaBのCt値が40未満の場合を肺炎球菌陽性と判定しました。
結果:
研究参加者は22-74歳(平均38.5歳)で、75%が女性、75%が白人でした。職種は看護師(48%)、医師(23%)、看護助手(5%)などでした。4ヶ月の研究期間中、392名中86名(21%)の個人から採取された1241検体中138検体(11%)がpiaB陽性を示し、そのうち28名(33%)が複数回陽性でした。保菌者の特徴は研究対象集団全体を反映していました。肺炎球菌の検出と有意に関連する人口統計学的特徴は認められませんでした。保菌者は主に血清型19F(25.6%)および3型(12.8%)を保有していました。