注目論文:結核治療の最新ガイドライン:薬剤感受性・耐性結核に対する新しい治療レジメン

呼吸器内科
ATS/CDC/ERS/IDSAから結核治療に関する最新のガイドラインが発表されました。適切な患者においては、4ヶ月間の短期治療レジメンが薬剤感受性結核に対して推奨されることとなり、薬剤耐性結核においてもベダキリン、プレトマニド、リネゾリドを含む新規レジメンが推奨されています。
Updates on the Treatment of Drug-Susceptible and Drug-Resistant Tuberculosis: An Official ATS/CDC/ERS/IDSA Clinical Practice Guideline
薬剤感受性および薬剤耐性結核治療の最新情報: ATS/CDC/ERS/IDSA公式臨床実践ガイドライン
Saukkonen JJ, et al.
Am J Respir Crit Care Med. 2025
https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1164/rccm.202410-2096ST
背景:
結核(TB)の薬剤感受性および薬剤耐性症例の治療に関する最近の臨床試験データに基づき、米国胸部疾患学会(ATS)、米国疾病予防管理センター(CDC)、欧州呼吸器学会(ERS)、米国感染症学会(IDSA)は、細菌培養、分子学的・表現型薬剤感受性試験、画像検査などの診断ツールが日常的に利用可能な環境における小児および成人の結核治療に関する臨床実践ガイドラインを更新しました。

研究デザイン:
複数の学際的な視点を代表する合同パネルが、ATSの方法論専門家と協力して、GRADE(推奨の評価、開発、評価の分類)およびGRADE-ADOLOPMENT(推奨の採用、適応、必要に応じた新規開発)の方法論を用いてエビデンスを検討し、推奨を作成しました。

結果:
薬剤感受性結核に関する新しい推奨には、肺結核患者に対する新しい4ヶ月間のレジメンと、非重症結核の小児に対する短縮4ヶ月間のレジメンの使用が含まれています。薬剤耐性結核の推奨更新には、モキシフロキサシンの有無にかかわらず、ベダキリン、プレトマニド、リネゾリドを含む新規レジメンの使用が含まれています。経口のみによる短期治療レジメンが、適格な患者に対して推奨されることとなりました。