注目論文:肺腫瘍に対する新規気管支鏡下ラジオ波焼灼システムの有効性と安全性
呼吸器内科
新しい気管支鏡下ラジオ波焼灼(RFA)システムの多施設大規模臨床試験の1年間のフォローアップ結果が報告されました。自動生理食塩水灌流システムを用いた本システムは、特にすりガラス影(GGN)に対して高い完全焼灼率を示し、許容できる安全性プロファイルも確認されました。将来的に、肺癌に対する低侵襲治療の新たな選択肢として検討されると考えられます。
Safety and efficacy of a novel transbronchial radiofrequency ablation system for lung tumours: One year follow-up from the first multi-centre large-scale clinical trial (BRONC-RFII)
肺腫瘍に対する新規気管支鏡下ラジオ波焼灼システムの安全性と有効性:初の多施設大規模臨床試験(BRONC-RFII)における1年間のフォローアップ
Zhong C, Chen E, Su Z, et al.
Respirology. 2025 Jan;30(1):51-61.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39197870/
肺腫瘍に対する新規気管支鏡下ラジオ波焼灼システムの安全性と有効性:初の多施設大規模臨床試験(BRONC-RFII)における1年間のフォローアップ
Zhong C, Chen E, Su Z, et al.
Respirology. 2025 Jan;30(1):51-61.
背景:
ラジオ波焼灼(RFA)は肺癌治療の新たな選択肢として期待されていますが、安全性の懸念や手技上の制限があります。本研究は、革新的な気管支鏡下RFAシステムの技術的性能、有効性、安全性を検討した初の多施設大規模臨床試験です。
研究デザイン:
2021年1月から12月にかけて、16の医療機関で自動生理食塩水微量灌流システムを用いた気管支鏡下RFAを受けた悪性肺腫瘍患者を対象としました。主要評価項目は完全焼灼率とし、手技の性能と安全性、1年生存率を評価しました。
結果:
126名の患者(23-85歳)、130個の肺腫瘍(平均サイズ18.77×14.15mm)に対して153回の気管支鏡下RFAを施行し、技術的成功率は99.35%、平均焼灼範囲は32.47mmでした。12ヶ月フォローアップ時点での完全焼灼率は90.48%、肺内無増悪生存率は88.89%でした。すりガラス影(GGN)症例は充実性結節症例と比較して良好な成績を示し(12ヶ月完全焼灼率:充実性 vs pure GGN vs mixed GGN = 82.14% vs 100% vs 96.08%、p=0.007)、機器の不具合は報告されませんでした。合併症として気胸3.97%、喀血6.35%、胸水8.73%、肺感染症11.11%、胸膜痛10.32%を認め、フォローアップ期間中に2名が死亡しました。自動生理食塩水微量灌流システムを用いた気管支鏡下RFAは、特にGGN症例において実現可能で安全かつ有効な治療アプローチであることが示唆されました。
ラジオ波焼灼(RFA)は肺癌治療の新たな選択肢として期待されていますが、安全性の懸念や手技上の制限があります。本研究は、革新的な気管支鏡下RFAシステムの技術的性能、有効性、安全性を検討した初の多施設大規模臨床試験です。
研究デザイン:
2021年1月から12月にかけて、16の医療機関で自動生理食塩水微量灌流システムを用いた気管支鏡下RFAを受けた悪性肺腫瘍患者を対象としました。主要評価項目は完全焼灼率とし、手技の性能と安全性、1年生存率を評価しました。
結果:
126名の患者(23-85歳)、130個の肺腫瘍(平均サイズ18.77×14.15mm)に対して153回の気管支鏡下RFAを施行し、技術的成功率は99.35%、平均焼灼範囲は32.47mmでした。12ヶ月フォローアップ時点での完全焼灼率は90.48%、肺内無増悪生存率は88.89%でした。すりガラス影(GGN)症例は充実性結節症例と比較して良好な成績を示し(12ヶ月完全焼灼率:充実性 vs pure GGN vs mixed GGN = 82.14% vs 100% vs 96.08%、p=0.007)、機器の不具合は報告されませんでした。合併症として気胸3.97%、喀血6.35%、胸水8.73%、肺感染症11.11%、胸膜痛10.32%を認め、フォローアップ期間中に2名が死亡しました。自動生理食塩水微量灌流システムを用いた気管支鏡下RFAは、特にGGN症例において実現可能で安全かつ有効な治療アプローチであることが示唆されました。