2025年向けて:令和時代の医師キャリアの考え方

ライフハック
2025年に向けてとても大事なことであり、新時代のキャリアデザインについて私の考えを述べたいと思います。

現代はVUCAの時代と言われます。VUCAの時代とは、現代社会の不安定で予測困難な状況を表す概念です。VUCA は Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、ビジネスや社会環境が急速に変化し、将来の予測が困難な状態を指します。

2024年はVUCA時代の象徴的な年になりました。世界的な地政学的緊張、特にロシア・ウクライナ戦争の長期化や、AIを始めとするテクノロジーの急速な進化、深刻化する気候変動の影響、そして経済の不安定性により、VUCAの特徴が顕著に表れた年となりました。
よって、これからの臨床医としてのキャリアに不安を覚えている若手医師も多いと思います。私自身は、現代は変化の激しい時代で、社会が多様に変化しているからこそ、医師としてのキャリアには無限の可能性があると考えています。ワクワク感のある、自分らしいキャリアを築いていける大きなチャンスが広がっていると言えます。
変化の激しい令和の時代においては、もはや、医師も、組織や病院にキャリアをゆだねるのでなく、自分で主体的にキャリア形成してく時代に入ったと考えられるためです。
変化の激しい令和の時代においては、もはや、医師も、組織や病院にキャリアをゆだねるのでなく、自分で主体的にキャリア形成してく時代に入ったと考えられるためです。
自分で主体的にキャリアを形成していくには、まず、自分が仕事や人生においてどうありたいか(=パーパス=存在意義)を考えるが大切です。参考までに、私のパーパスは、「世界をより良くするために、そして、人々に健康と幸福を届けるために、チャレンジを続けて、現状を打破していくこと」です。 自分のパーパスはキャリアを選択する上での羅針盤になります。パーパスに加えてビジョン(理想像)、ミッション(具体的な使命)まで考えることができたら、なお良いと思います。(参考までに、私個人ではないですが、私の診療科のパーパス・ビジョン・ミッションです。)
https://kameda.com/pr/pulmonary_medicine/greeting.html
そして、具体的なキャリア形成においては「掛け算」の考え方が重要です。目の前の臨床に一生懸命取り組みながらも、自分の強みを掛け合わせて独自の価値を創造してオンリーワンを目指す戦略です。
例えば私の場合は、呼吸器内科医としての臨床力を磨くことはもちろん、教育、研究、情報発信などの異なる領域のスキルを掛け合わせることで、オンリーワンの存在を目指してきました。

そして新しい時代に必要なマインドセットが、「グロースマインドセット」(Growth mindset)です。スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエック博士が提唱した「成長するためのマインドセット」です。

常に最高のパフォーマンスを発揮する人は、この信念を持っているといわれており、世界で注目されています。
「グロースマインドセット」は、困難やミスを成長機会として捉え、生涯学習の姿勢を持ち、才能や能力は固定的ではないと考える信念です。グロースマインドセットを持つことで、変化を恐れたり避けたりするのではなく、むしろ「変化を楽しむ」ことができるようになります。

2025年は、2024年よりさらに変化の激しい時代になると予測されています。年始のうちにあらためてこれからのキャリアの在り方、自分のマインドセットを振り返っておくと、2025年がより充実した1年になると思います。

私のつたない考えですが、参考になれば幸いです。
臨床医のためのライフハック:令和時代に良いキャリアを築くために行うこと
  • 自分のパーパス、ビジョン、ミッションを考える。
  • グロースマインドセットで、VUCA時代の激しい変化をむしろ「チャンス」と思って楽しみ、新しいことを勉強していく。
  • 掛け算の戦略で自分の強みを掛け合わせていく