良きメンターになるために その1  4つのメンターの役割をおさえる!

医学教育
医学教育において良きメンターになるにはどうすれば良いかを考えていきたいと思います。
徳田安春先生が監訳された「医療者のための成功するメンタリングガイド」(Dr. Vineet Chopra、Dr. Valerie M. Vaughn。Dr. Sanjay Saint 著)[医学書院]
(https://igaku-shoin.co.jp/book/detail/108355)
よって、この本の内容を引用しながら、良きメンターになるための、私の考えを述べていきたいと思います。
今回は4つのメンターの役割についてです。

私も、これまで多くのメンターに指導をしていただき、今でも複数のメンターにメンタリングを受けながら、臨床・教育・研究に取り組んでいます。
そして、自分自身も、自分の診療科の医師のため、出会った若手医師のために、メンターとしての役割を担っています。

そういった状況の中で、この書籍の中に書かれた、4つのメンターの役割については、大変共感し、勉強になりました。
伝統的なメンターとは、メンティーの長期的な成長に貢献します。頻繁に接して、時間もかけながら成長を支援します。
親が子供に対するようにメンティーを育てる役割です。
私自身は自分の診療科の全ての医師に対して、この役割を担うようにしています。

コーチは、メンティーがある領域でパフォーマンスを向上させたり、問題解決するのを一時的に支援する役割です。 伝統的なメンターほど長期的なものではなく、特定の状況におけるアドバイスを行う役割です。

普段の臨床に関する相談へのアドバイス、学会発表や論文作成に関するアドバイスはこれに当たるのかなと思います。

スポンサーは、自身の影響力を使って、メンティーを前進させ、支援する役割です。私は研究費などを利用した金銭的支援もここには含んでよいのかなと思っています。

自分の診療科では、国際学会発表に際し、十分な補助を提供するようにしています。研究会などで若手医師が活躍できる場を作れるよう努力しています。

コネクターは、メンティーを他のメンターやスポンサー、コネクターに紹介することで、メンティーを支援します。
私の場合は、自分の診療科の医師が研修修了して異動する場合は、優れた施設に異動できるように紹介先を見つけるなどを行っています。今後は海外留学先のコネクションを増やしていく予定です。

以上のように、メンターの役割は、様々な形をとることができます。一部を担う場合もあれば、同時に複数の役割を担う場合もあると思います。
これら4つの役割を知って起き、意識的にメンティーに対して行っていくことが大切だと思います。

良きメンターになるために:
メンターの4つの役割を理解しておき、意識的に行おう。