注目論文:ARDSにおける年齢と死亡率の非線形な関係
呼吸器内科
ARDSの予後は小児と成人で大きく異なることが知られていましたが、本研究では年齢と死亡率の関係を詳細に分析し、11歳から65歳までは死亡リスクが加速度的に上昇し、その後緩やかになることを示しました。
Association between Age and Mortality in Pediatric and Adult Acute Respiratory Distress Syndrome
小児および成人の急性呼吸窮迫症候群における年齢と死亡率の関連
Patel BM, Reilly JP, Bhalla AK, Smith LS, Khemani RG, Jones TK, Meyer NJ, Harhay MO, Yehya N.
Am J Respir Crit Care Med. 2024 Apr 1;209(7):871-878.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38306669/
小児および成人の急性呼吸窮迫症候群における年齢と死亡率の関連
Patel BM, Reilly JP, Bhalla AK, Smith LS, Khemani RG, Jones TK, Meyer NJ, Harhay MO, Yehya N.
Am J Respir Crit Care Med. 2024 Apr 1;209(7):871-878.
背景:
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の疫学、管理、および転帰は小児と成人で異なり、同程度の低酸素血症の重症度にもかかわらず、小児の死亡率は低いことが知られています。しかし、年齢と死亡率の関係は明確ではありませんでした。
研究デザイン:
2つの小児ARDS観察コホート(n=1,236)、複数の成人ARDSの臨床試験(n=5,547)、および成人ARDS観察コホート(n=1,079)のデータを用いた後ろ向きコホート研究を実施しました。すべてのデータセットをベルリン基準に合わせて調整し、性別、PaO2/FiO2、免疫抑制状態、研究年、観察研究か無作為化比較試験かを調整因子として、分数多項式を用いた非調整および調整ロジスティック回帰分析を行い、年齢と90日死亡率の非線形な関係を評価しました。
結果:
対象となった7,862名の年齢中央値は、小児コホートで4歳、成人臨床試験で52歳、成人観察コホートで61歳でした。ベルリン基準による中等症ARDSが43%を占めていました。90日死亡率は小児コホートで19%、成人臨床試験で33%、成人観察コホートで67%でした。年齢と死亡率の間に非線形な関係が認められ、11歳から65歳の間では死亡リスクが加速度的に上昇し、その後は緩やかな上昇に転じることが示されました。小児および成人ARDSにおいて、年齢と死亡率の間に非線形な関係が存在することが明らかになりました。
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の疫学、管理、および転帰は小児と成人で異なり、同程度の低酸素血症の重症度にもかかわらず、小児の死亡率は低いことが知られています。しかし、年齢と死亡率の関係は明確ではありませんでした。
研究デザイン:
2つの小児ARDS観察コホート(n=1,236)、複数の成人ARDSの臨床試験(n=5,547)、および成人ARDS観察コホート(n=1,079)のデータを用いた後ろ向きコホート研究を実施しました。すべてのデータセットをベルリン基準に合わせて調整し、性別、PaO2/FiO2、免疫抑制状態、研究年、観察研究か無作為化比較試験かを調整因子として、分数多項式を用いた非調整および調整ロジスティック回帰分析を行い、年齢と90日死亡率の非線形な関係を評価しました。
結果:
対象となった7,862名の年齢中央値は、小児コホートで4歳、成人臨床試験で52歳、成人観察コホートで61歳でした。ベルリン基準による中等症ARDSが43%を占めていました。90日死亡率は小児コホートで19%、成人臨床試験で33%、成人観察コホートで67%でした。年齢と死亡率の間に非線形な関係が認められ、11歳から65歳の間では死亡リスクが加速度的に上昇し、その後は緩やかな上昇に転じることが示されました。小児および成人ARDSにおいて、年齢と死亡率の間に非線形な関係が存在することが明らかになりました。