注目論文:高齢者におけるCOVID-19 mRNAワクチン3回目接種の有効性とその減衰
呼吸器内科
オミクロン株BA.1/BA.2流行期における65歳以上のメディケア受給者を対象とした大規模な後ろ向きコホート研究の結果が報告されました。3回目接種は重症化予防効果に優れ、特に死亡予防において高い効果を示しましたが、接種後4ヶ月以降は効果の減衰が認められました。これまでの感染歴を有する患者においても、追加接種による上乗せ効果が確認されており、特にModerna社製ワクチンでは120日以降も一定の効果が持続していた点が注目されます。
Relative Effectiveness and Waning of a Third Dose of mRNA COVID-19 Vaccine in Medicare Beneficiaries Aged 65 Years and Older during the BA.1/BA.2 Omicron Period
65歳以上のメディケア受給者におけるオミクロンBA.1/BA.2期間中のmRNA COVID-19ワクチン3回目接種の相対的有効性と効果減衰
Lu Y, Matuska K, McEvoy R, Izurieta HS, Hervol JR, Menis M, Lindaas A, Steele WR, Chillarige Y, Wernecke M, Kelman JA, Forshee RA.
J Infect Dis. 2024 Oct 15:jiae503
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39404024/
65歳以上のメディケア受給者におけるオミクロンBA.1/BA.2期間中のmRNA COVID-19ワクチン3回目接種の相対的有効性と効果減衰
Lu Y, Matuska K, McEvoy R, Izurieta HS, Hervol JR, Menis M, Lindaas A, Steele WR, Chillarige Y, Wernecke M, Kelman JA, Forshee RA.
J Infect Dis. 2024 Oct 15:jiae503
背景:
COVID-19ワクチン3回目接種(オリジナル製剤)によるCOVID-19関連アウトカムの予防における追加的効果と効果減衰を評価しました。
研究デザイン:
オミクロンBA.1/BA.2流行期(2021年12月19日〜2022年3月26日)における米国の地域在住メディケア受給者(65歳以上)を対象とした後ろ向きコホート研究を実施しました。周辺構造Cox回帰モデルを用いて、mRNAワクチン3回接種と2回接種の相対的ワクチン有効性(RVE)を推定しました。
結果:
対象となった8,135,020名のうち、73.3%が2022年3月26日までに3回目接種を完了していました。接種後14-60日の時点で、3回目接種はCOVID-19関連入院に対して、Moderna社製で77.2%(95%信頼区間: 76.0-78.4%)、Pfizer-BioNTech社製で72.5%(95%信頼区間: 70.8-74.0%)の追加的予防効果を示しましたが、120日以降は効果が低下しました。過去にCOVID-19の医療機関受診歴がある患者では、Pfizer-BioNTech社製は120日間効果が持続し、Moderna社製は120日以降も一定の効果が認められました。両ワクチンとも、軽症例と比較して死亡予防効果が高かったものの、120日以降は減衰が認められました。3回目のCOVID-19ワクチン接種は、以前にCOVID-19の診断を受けた受給者であっても、COVID-19関連の入院及び死亡に対して顕著な追加的な予防効果をもたらしました。しかし、この追加的な予防効果は接種後4ヶ月を経過すると減少することが確認されました。
COVID-19ワクチン3回目接種(オリジナル製剤)によるCOVID-19関連アウトカムの予防における追加的効果と効果減衰を評価しました。
研究デザイン:
オミクロンBA.1/BA.2流行期(2021年12月19日〜2022年3月26日)における米国の地域在住メディケア受給者(65歳以上)を対象とした後ろ向きコホート研究を実施しました。周辺構造Cox回帰モデルを用いて、mRNAワクチン3回接種と2回接種の相対的ワクチン有効性(RVE)を推定しました。
結果:
対象となった8,135,020名のうち、73.3%が2022年3月26日までに3回目接種を完了していました。接種後14-60日の時点で、3回目接種はCOVID-19関連入院に対して、Moderna社製で77.2%(95%信頼区間: 76.0-78.4%)、Pfizer-BioNTech社製で72.5%(95%信頼区間: 70.8-74.0%)の追加的予防効果を示しましたが、120日以降は効果が低下しました。過去にCOVID-19の医療機関受診歴がある患者では、Pfizer-BioNTech社製は120日間効果が持続し、Moderna社製は120日以降も一定の効果が認められました。両ワクチンとも、軽症例と比較して死亡予防効果が高かったものの、120日以降は減衰が認められました。3回目のCOVID-19ワクチン接種は、以前にCOVID-19の診断を受けた受給者であっても、COVID-19関連の入院及び死亡に対して顕著な追加的な予防効果をもたらしました。しかし、この追加的な予防効果は接種後4ヶ月を経過すると減少することが確認されました。