注目論文:好酸球性喘息・COPD増悪におけるベンラリズマブの有効性:二重盲検無作為化試験
呼吸器内科
好酸球性の喘息・COPD増悪に対して、ベンラリズマブ単独もしくはプレドニゾロンとの併用療法が、従来のプレドニゾロン単独と比較して優れた治療効果を示すことが報告されました。
Treating eosinophilic exacerbations of asthma and COPD with benralizumab (ABRA): a double-blind, double-dummy, active placebo-controlled randomised trial
好酸球性喘息・COPD増悪に対するベンラリズマブによる治療(ABRA):二重盲検二重ダミー実薬対照無作為化試験
Ramakrishnan S, Russell REK, Mahmood HR, Krassowska K, Melhorn J, Mwasuku C, Pavord ID, Bermejo-Sanchez L, Howell I, Mahdi M, Peterson S, Bengtsson T, Bafadhel M.
Lancet Respir Med. 2024 Nov 27:S2213-2600(24)00299-6.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39615502/
好酸球性喘息・COPD増悪に対するベンラリズマブによる治療(ABRA):二重盲検二重ダミー実薬対照無作為化試験
Ramakrishnan S, Russell REK, Mahmood HR, Krassowska K, Melhorn J, Mwasuku C, Pavord ID, Bermejo-Sanchez L, Howell I, Mahdi M, Peterson S, Bengtsson T, Bafadhel M.
Lancet Respir Med. 2024 Nov 27:S2213-2600(24)00299-6.
背景:
喘息とCOPDの増悪は重要なイベントであり、重症化と関連します。好酸球性炎症は急性増悪時に多く認められる治療可能な特徴です。我々は、好酸球性増悪患者において、抗IL-5受容体αヒト化モノクローナル抗体であるベンラリズマブの単回投与が、単独もしくはプレドニゾロンとの併用で、標準治療であるプレドニゾロン単独と比較して臨床転帰を改善すると仮説を立てました。
研究デザイン:
ABRA試験は、英国のオックスフォード大学病院NHSトラストとガイズ・アンド・セントトーマスNHSトラストで実施された多施設第2相二重盲検二重ダミー実薬対照無作為化試験です。血中好酸球数300/μL以上の喘息またはCOPD急性増悪の成人患者を、プレドニゾロン30mg/日5日間+ベンラリズマブ100mg単回皮下注射(BENRA+PRED群)、プラセボ錠5日間+ベンラリズマブ100mg単回皮下注射(BENRA群)、プレドニゾロン30mg/日5日間+プラセボ単回皮下注射(PRED群)に1:1:1の割合で無作為に割り付けました。
結果:
2021年5月13日から2024年2月5日までに287名がスクリーニングされ、158名が無作為化されました。90日時点での治療失敗はPRED群で39/53例(74%)、プール解析したBENRA群で47/105例(45%)でした(オッズ比0.26、95%信頼区間0.13-0.56、p=0.0005)。28日目の総VASスコアの平均差は49mm(95%信頼区間14-84、p=0.0065)でプール解析したBENRA群が優れていました。重篤な有害事象は認められず、ベンラリズマブの忍容性は良好でした。高血糖や副鼻腔炎などの有害事象はプレドニゾロンに関連したものでした。本研究により、ベンラリズマブが好酸球性の喘息・COPD増悪に対する新たな治療オプションとなる可能性が示されました。
喘息とCOPDの増悪は重要なイベントであり、重症化と関連します。好酸球性炎症は急性増悪時に多く認められる治療可能な特徴です。我々は、好酸球性増悪患者において、抗IL-5受容体αヒト化モノクローナル抗体であるベンラリズマブの単回投与が、単独もしくはプレドニゾロンとの併用で、標準治療であるプレドニゾロン単独と比較して臨床転帰を改善すると仮説を立てました。
研究デザイン:
ABRA試験は、英国のオックスフォード大学病院NHSトラストとガイズ・アンド・セントトーマスNHSトラストで実施された多施設第2相二重盲検二重ダミー実薬対照無作為化試験です。血中好酸球数300/μL以上の喘息またはCOPD急性増悪の成人患者を、プレドニゾロン30mg/日5日間+ベンラリズマブ100mg単回皮下注射(BENRA+PRED群)、プラセボ錠5日間+ベンラリズマブ100mg単回皮下注射(BENRA群)、プレドニゾロン30mg/日5日間+プラセボ単回皮下注射(PRED群)に1:1:1の割合で無作為に割り付けました。
結果:
2021年5月13日から2024年2月5日までに287名がスクリーニングされ、158名が無作為化されました。90日時点での治療失敗はPRED群で39/53例(74%)、プール解析したBENRA群で47/105例(45%)でした(オッズ比0.26、95%信頼区間0.13-0.56、p=0.0005)。28日目の総VASスコアの平均差は49mm(95%信頼区間14-84、p=0.0065)でプール解析したBENRA群が優れていました。重篤な有害事象は認められず、ベンラリズマブの忍容性は良好でした。高血糖や副鼻腔炎などの有害事象はプレドニゾロンに関連したものでした。本研究により、ベンラリズマブが好酸球性の喘息・COPD増悪に対する新たな治療オプションとなる可能性が示されました。