注目論文:EGFR変異陽性NSCLC二次治療におけるペムブロリズマブ併用化学療法の第III相試験

呼吸器内科
EGFR変異陽性非小細胞肺癌に対する標準一次治療はEGFR-TKIですが、最終的には耐性化してしまいます。KEYNOTE-789試験では、EGFR-TKI耐性後の二次治療として、ペメトレキセド+プラチナ併用化学療法へのペムブロリズマブ上乗せ効果を検討しましたが、残念ながら主要評価項目は達成されませんでした。今後は、EGFR-TKI耐性後の治療戦略について、さらなる臨床試験の結果が待たれるところです。
EGFR変異陽性非小細胞肺癌に対する標準一次治療はEGFR-TKIですが、最終的には耐性化してしまいます。KEYNOTE-789試験では、EGFR-TKI耐性後の二次治療として、ペメトレキセド+プラチナ併用化学療法へのペムブロリズマブ上乗せ効果を検討しましたが、残念ながら主要評価項目は達成されませんでした。今後は、EGFR-TKI耐性後の治療戦略について、さらなる臨床試験の結果が待たれるところです。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39173098/
背景:
EGFR変異陽性進行非小細胞肺癌に対する一次治療の標準はEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)ですが、ほとんどの患者で最終的に病勢進行を認めます。本研究では、TKI耐性EGFR変異陽性進行非扁平上皮非小細胞肺癌に対する、ペメトレキセド+プラチナ併用化学療法へのペムブロリズマブ追加効果を検討しました。

研究デザイン:
病理学的に確認された第IV期非扁平上皮非小細胞肺癌で、EGFR遺伝子エクソン19欠失またはL858R変異を有し、EGFR-TKI治療後に進行した成人患者を対象としました。患者は1:1の割合で、ペムブロリズマブ200mgまたはプラセボを3週毎に35サイクル、ペメトレキセド+カルボプラチンまたはシスプラチンを3週毎に4サイクル投与後、ペメトレキセド維持療法を行う群に無作為に割り付けられました。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)でした。

結果:
492名が無作為に割り付けられ(ペムブロリズマブ併用群245名、プラセボ併用群247名)、中間解析でのPFS中央値はペムブロリズマブ併用群で5.6ヶ月、プラセボ併用群で5.5ヶ月(ハザード比0.80、95%信頼区間0.65-0.97、P=0.0122)でした。最終解析でのOS中央値は、それぞれ15.9ヶ月対14.7ヶ月(ハザード比0.84、95%信頼区間0.69-1.02、P=0.0362)でした。Grade 3以上の治療関連有害事象は、ペムブロリズマブ併用群で43.7%、プラセボ併用群で38.6%に認められました。KEYNOTE-789試験において、TKI耐性EGFR変異陽性進行非扁平上皮非小細胞肺癌患者に対する化学療法へのペムブロリズマブ追加は、PFSとOSを有意に延長しませんでした。