注目論文:COVID-19ブースター接種の最適な年間接種時期に関する研究

呼吸器内科
地域ごとの感染動態を考慮したCOVID-19ブースター接種の最適なタイミングについて、興味深い報告がありました。特に北半球では初秋が最適な接種時期となる可能性が示されました。ただし、ブレークスルー感染後のブースター接種タイミングについては個別の調整が必要となりそうです。
Optimal Annual COVID-19 Vaccine Boosting Dates Following Previous Booster Vaccination or Breakthrough Infection
過去のブースター接種またはブレークスルー感染後のCOVID-19ワクチン年間ブースター接種の最適な時期
Townsend JP, Hassler HB, Dornburg A
Clin Infect Dis. 2024 Nov 26:ciae559
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39589144/
背景
COVID-19ブースター接種は感染伝播を抑制し、感染に関連する罹患率と死亡率を低減します。しかし、ブースター接種の最適な時期については不確実性が残されています。年間を通じた感染率の地理的変動により、感染予防に最も効果的な年間ブースター接種日を直感的に判断することは困難です。また、ブレークスルー感染後のブースター接種時期の調整についても最適なガイダンスを提供することが課題となっています。

研究デザイン
抗体の経時的変化と再感染確率、およびCOVID-19発生率の時空間的予測を活用し、ブースター接種のタイミングを最適化するための地理的情報に基づくアプローチを開発しました。また、年間を通じてブレークスルー感染が発生した場合のブースター接種の遅延期間を評価し、COVID-19免疫状態の多様性を考慮した個別化された最適なタイミングの評価を可能にしました。

結果
年間のブースター接種はいずれの時期でも感染予防に有効でしたが、各地域において接種時期により3-4倍の防御効果の差が認められました。COVID-19ブースター接種の最適な時期は地域特異的であり、北半球では通常初秋が最適でした。ブースター接種の間隔の後半での感染は、最適な接種日に大きな影響を与えることが示されました。