注目論文:成人RSV感染後の入院リスク:大規模コホート研究からの知見
呼吸器内科
65歳以上の高齢者や基礎疾患を有する患者でRSV感染後の入院リスクが高いことが示されました。本研究により、外来でRSV感染と診断された成人の約20人に1人が28日以内に入院していることが明らかとなり、RSV予防と治療の公衆衛生上の重要性が示されました。
Hospitalization Following Outpatient Diagnosis of Respiratory Syncytial Virus in Adults
成人における外来RSV診断後の入院リスク
Landi SN, Garofalo DC, Reimbaeva M, et al.
JAMA Netw Open. 2024 Nov 4;7(11):e2446010.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39560940/
成人における外来RSV診断後の入院リスク
Landi SN, Garofalo DC, Reimbaeva M, et al.
JAMA Netw Open. 2024 Nov 4;7(11):e2446010.
背景:
RSVは成人における急性呼吸器感染症の主要な原因であり、米国では65歳以上の高齢者で年間約159,000件の入院を引き起こすと推定されています。外来でRSV感染と診断された成人における入院リスクを評価することは、入院予防を目的とした介入研究を設計する上で重要です。
研究デザイン:
本コホート研究では、3つの異なる非識別化データベース(OptumのIntegrated Claims-Clinical dataset、TriNetX Linked、VNEHRデータベース)を用いて、6年間のRSVシーズン(2016年10月1日から2022年9月30日)における民間または政府保険加入の成人データを個別に分析しました。外来(診療所および救急部門)でのRSV感染は、臨床検査データまたはRSV特異的なICD-10-CM診断コードに基づいて特定されました。
結果:
67,239件のRSV感染症例(Optumから2,771件、TriNetXから7,442件、VNEHRから57,026件)を分析しました。患者の62-67%が女性で、COPD有病率は20.0-30.5%、心不全は14.6-24.4%、喘息は14.6-24.4%でした。65歳以上は14.0-54.5%を占めました。28日以内の入院率は、Optumで6.2%(95%信頼区間:5.3-7.1%)、TriNetXで6.0%(5.4-6.5%)、VNEHRで4.5%(4.3-4.6%)でした。ハイリスク群(65歳以上または喘息、COPD、心不全を有する患者)では、入院率がOptumで7.6%(6.5-8.9%)、TriNetXで8.5%(7.6-9.4%)、VNEHRで6.5%(6.2-6.8%)と上昇しました。本研究により、外来でRSV感染と診断された成人の約20人に1人が28日以内に入院していることが明らかとなり、RSV予防と治療の公衆衛生上の重要性が示されました。
RSVは成人における急性呼吸器感染症の主要な原因であり、米国では65歳以上の高齢者で年間約159,000件の入院を引き起こすと推定されています。外来でRSV感染と診断された成人における入院リスクを評価することは、入院予防を目的とした介入研究を設計する上で重要です。
研究デザイン:
本コホート研究では、3つの異なる非識別化データベース(OptumのIntegrated Claims-Clinical dataset、TriNetX Linked、VNEHRデータベース)を用いて、6年間のRSVシーズン(2016年10月1日から2022年9月30日)における民間または政府保険加入の成人データを個別に分析しました。外来(診療所および救急部門)でのRSV感染は、臨床検査データまたはRSV特異的なICD-10-CM診断コードに基づいて特定されました。
結果:
67,239件のRSV感染症例(Optumから2,771件、TriNetXから7,442件、VNEHRから57,026件)を分析しました。患者の62-67%が女性で、COPD有病率は20.0-30.5%、心不全は14.6-24.4%、喘息は14.6-24.4%でした。65歳以上は14.0-54.5%を占めました。28日以内の入院率は、Optumで6.2%(95%信頼区間:5.3-7.1%)、TriNetXで6.0%(5.4-6.5%)、VNEHRで4.5%(4.3-4.6%)でした。ハイリスク群(65歳以上または喘息、COPD、心不全を有する患者)では、入院率がOptumで7.6%(6.5-8.9%)、TriNetXで8.5%(7.6-9.4%)、VNEHRで6.5%(6.2-6.8%)と上昇しました。本研究により、外来でRSV感染と診断された成人の約20人に1人が28日以内に入院していることが明らかとなり、RSV予防と治療の公衆衛生上の重要性が示されました。