注目論文:Long COVID:臨床アップデート
呼吸器内科
この論文は、Long COVIDに関する最新の知見をまとめた重要なレビューです。当院でもLong COVIDの患者さんを多く診療していますが、その多様な症状と複雑な病態から、診療に苦慮することが少なくありません。特に、分子レベルでの解析や、バイオマーカーの同定による個別化医療の可能性は、今後の診療に大きな進展をもたらす可能性があります。また、Long COVID患者の実体験を持つ研究者が共著者として参加している点も、患者視点を重視した包括的なレビューとなっています。
Long COVID: a clinical update
Long COVID:臨床アップデート
Greenhalgh T, Sivan M, Perlowski A, Nikolich JŽ.
Lancet. 2024 Aug 17;404(10453):707-724.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39096925/
Long COVID:臨床アップデート
Greenhalgh T, Sivan M, Perlowski A, Nikolich JŽ.
Lancet. 2024 Aug 17;404(10453):707-724.
背景:
COVID-19のパンデミック開始から4年以上が経過した現在でも、多くの人々がSARS-CoV-2感染の長期的な後遺症に苦しんでいます。疫学的データや治療法の進展はあるものの、Long COVIDの定義や病態の多様性、診断基準の統一の欠如が課題として挙げられます。
研究デザイン:
既存の研究文献を網羅的にレビューし、疫学データ、基礎科学研究、患者体験の分析、臨床試験データを統合しました。さらに、現場での診療アプローチとの対話を図り、研究と臨床実践の連携を目指しました。
結果:
Long COVIDは症状が多様で、疲労、呼吸困難、認知機能障害などが主要な問題として挙げられます。疫学データでは、罹患率が年齢や性別、ワクチン接種歴により異なり、特定のリスク要因も確認されています。治療においては、リハビリテーションと個別化アプローチが推奨されていますが、効果的なバイオマーカーや根本的治療法はまだ確立されていません。Long COVIDは、単一疾患として理解するには複雑で、多臓器に影響を及ぼす多面的な疾患である可能性が高いです。病態機序のさらなる解明とそれに基づく個別化治療の開発が求められます。
COVID-19のパンデミック開始から4年以上が経過した現在でも、多くの人々がSARS-CoV-2感染の長期的な後遺症に苦しんでいます。疫学的データや治療法の進展はあるものの、Long COVIDの定義や病態の多様性、診断基準の統一の欠如が課題として挙げられます。
研究デザイン:
既存の研究文献を網羅的にレビューし、疫学データ、基礎科学研究、患者体験の分析、臨床試験データを統合しました。さらに、現場での診療アプローチとの対話を図り、研究と臨床実践の連携を目指しました。
結果:
Long COVIDは症状が多様で、疲労、呼吸困難、認知機能障害などが主要な問題として挙げられます。疫学データでは、罹患率が年齢や性別、ワクチン接種歴により異なり、特定のリスク要因も確認されています。治療においては、リハビリテーションと個別化アプローチが推奨されていますが、効果的なバイオマーカーや根本的治療法はまだ確立されていません。Long COVIDは、単一疾患として理解するには複雑で、多臓器に影響を及ぼす多面的な疾患である可能性が高いです。病態機序のさらなる解明とそれに基づく個別化治療の開発が求められます。