注目論文:COVID-19パンデミックが米国の1年癌生存率に与える影響
呼吸器内科
COVID-19パンデミックが癌患者の1年生存率に与えた影響について、米国の大規模データ(SEER)を用いて評価した結果が報告されました。パンデミックの影響で、特に胃癌、白血病、肝癌の1年生存率が大幅に低下しており、癌患者の予後が悪化したことが示されました。さらに、癌以外の死因も増加しており、パンデミックによる医療提供の遅延が予後悪化に影響を及ぼした可能性があります。
Assessing the Effect of the COVID-19 Pandemic on 1-Year Cancer Survival in the United States
COVID-19パンデミックが米国の1年癌生存率に与える影響の評価
Hong YD, Howlader N, Noone AM, et al.
J Natl Cancer Inst. 2024 Oct 25
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39453989/
COVID-19パンデミックが米国の1年癌生存率に与える影響の評価
Hong YD, Howlader N, Noone AM, et al.
J Natl Cancer Inst. 2024 Oct 25
背景:
COVID-19パンデミックは、医療提供体制に大きな影響を与えました。本研究では、パンデミックが癌患者の1年相対生存率および競合リスク(癌死および非癌死)に与えた影響を評価するため、米国のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)データを用いて分析しました。
研究デザイン:
2018年第2四半期(パンデミック前)および2020年第2四半期(パンデミック期)に診断された患者を対象に、全癌部位を合算して1年相対生存率および競合リスク確率を比較しました。
結果:
1年相対生存率は2018年第2四半期の82.3%から2020年第2四半期の77.5%に低下し、特に胃癌、白血病、肝癌で顕著な低下が認められました。ただし、2020年第3四半期にはパンデミック前水準に近づく改善が見られました。競合リスクの解析により、1年生存率の低下は癌死確率の上昇(15.4%から19.2%)および他の死因(COVID-19を含む)の増加(3.8%から5.2%)によってもたらされたことが示されました。
COVID-19パンデミックは、医療提供体制に大きな影響を与えました。本研究では、パンデミックが癌患者の1年相対生存率および競合リスク(癌死および非癌死)に与えた影響を評価するため、米国のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)データを用いて分析しました。
研究デザイン:
2018年第2四半期(パンデミック前)および2020年第2四半期(パンデミック期)に診断された患者を対象に、全癌部位を合算して1年相対生存率および競合リスク確率を比較しました。
結果:
1年相対生存率は2018年第2四半期の82.3%から2020年第2四半期の77.5%に低下し、特に胃癌、白血病、肝癌で顕著な低下が認められました。ただし、2020年第3四半期にはパンデミック前水準に近づく改善が見られました。競合リスクの解析により、1年生存率の低下は癌死確率の上昇(15.4%から19.2%)および他の死因(COVID-19を含む)の増加(3.8%から5.2%)によってもたらされたことが示されました。