インフルエンザワクチン接種の際は、肺炎球菌ワクチンの同時接種を!

インフルエンザワクチンの接種も始まっておりますが、まだ23価肺炎球菌ワクチンを接種していない高齢者に対しては、肺炎球菌ワクチンの同時接種を検討しましょう。
米疾病対策センター(CDC)の米予防接種諮問委員会(ACIP)も、ワクチン接種率を上げる有効な手段として両ワクチンの同時接種を推奨しています。
2015/2016シーズンに、当院でランダム化比較試験を行い、PPSV23と4価インフルエンザワクチンの同時接種は、逐次接種と比較し、有害事象を増やさず許容される免疫原性を示すことを報告しています。

Hum Vaccin Immunother. 2018;14(8):1923-1930.
Immunogenicity of simultaneous versus sequential administration of a 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine and a quadrivalent influenza vaccine in older individuals: A randomized, open-label, non-inferiority trial

まだ、23価肺炎球菌ワクチンは、高齢者への定期接種化がなされましたが、厚生労働省が発表している高齢者用肺炎球菌ワクチンの予防接種実施率は対象者の37.8%(2016年)にとどまります。
両ワクチンの併用接種は、それぞれのワクチンの単独接種よりも、肺炎の発症や入院率を下げることが示されております。
インフルエンザワクチンを接種する機会には、肺炎球菌ワクチンの同時接種を検討頂ければ幸いです。

このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患