illness を紐解く

治療を希望され来院した患者さま。てんかんなどの既往があり治療は不可欠ですが、治療薬に対する独自の解釈があったり、内服のアドヒアランス不良が見られていましたが、熊谷先生が関わることで飲酒量の改善が見られたり、専門医受診へつなぐことができました。
患者のそれぞれのプロブレムについて医学的な対応を考えつつも、本人の解釈を振り返り、患者中心の医療の方法をもとに丁寧に考察されました。それぞれの患者さまが健康観・病体験をもっており、独自の解釈をもっているので、患者中心の医療の方法の枠組みを用いることで、解釈に寄り添うことの大切さを学んだと述べておりました。
ディスカッションでは、治療のアドヒアランスが不良な状態の患者にどうアプローチするのが良いか、てんかんと自動車運転の関係が話題に上がりました。

岡田先生から講評として、相手の立ち位置を見定めた上でのアプローチがないと治療関係が結べない。医師患者関係において、患者が主導権を取れている意識は大切なため、そのさじ加減を見極めることが医師の力量。プライマリケア医は、患者の感性と医師の感性をつなげるオペレーティングの役割であり、患者の思いを受け止めつつ自分の診療や他科医師の診療へつなげるメッセンジャーの役割を担うことで患者の健康を導く役割であると述べておりました。

Illnessはなんだろうか、真の受診理由はなんだろうか?それを紐解く作業を家庭医は日々行っております。

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このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学