Journal Club

今週のjournal clubは、少し前の論文ですが、LIF後の運動神経障害に関する以下の論文です。

Motor nerve injuries following the minimally invasive lateral transpsoas approach.
Cahill KS, Martinez JL, Wang MY, Vanni S, Levi AD.
J Neurosurg Spine. 2012;17(3):227-231.

単一の施設でのMIS LIFの運動神経損傷の発生率を検討した論文です。
側方椎体間固定術を受けた118人の患者のレビューを行い、手術手技に起因する下肢と腹壁の筋麻痺に関して検討しています。
2007年から2011年の期間に、201の腰椎椎間板レベルで椎体間固定術が行われ、大腿神経障害に関しては、L4/5 diskレベルを含む場合でのみ生じ、このレベルでは4.8%(2例)の発生率となりました。 5人の患者(4.2%)で腹壁筋群の麻痺が生じて、術後、腹部膨隆が生じました。

結論:側腹筋アプローチ後の大腿神経損傷の全体的な発生率は1.7%で、L4/5椎間板スペースで実施された手技では4.8%でした。また、患者の約4%で術後の腹部膨隆を生じています。L4/5アプローチの検討および、T-11、12運動神経障害への注意により、これらの運動神経障害の発症を抑えることができる可能性があると結んでいます。
我々も術後、腹壁筋群の麻痺の症例を経験しており、皮切および筋操作の手技に関して、検討が必要と考えております。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫

【専門分野】
脊椎脊髄疾患、末梢神経疾患の外科治療