スポーツ内科(メタボ)外来

「スポーツをしたい!だけど内科の病気を持っているのでどうしたら良いですか?」、「スポーツをして健康な体になりたい!」こんな要望にお応えし当科ではスポーツ医学に精通した内科専門医によるスポーツ内科外来を行っています。

【対象患者】

1.内科疾患を抱えるスポーツ選手・スポーツ愛好家の皆様

過度のスポーツにより発生する内科的慢性障害として、一般的に貧血・オーバートレーニング症候群、高尿酸血症・痛風等の発症リスクがあります1)2)3)。また、国立スポーツ科学センターの調査で、トップアスリートの約10%に喘息の潜在を疑う研究結果が報告され、その選手のパフォーマンスに悪影響を及ぼしている可能性が示唆されています4)。

こういった場合、薬剤治療が必要な時は適切な薬剤選択を行わなければドーピング検査で陽性となる可能性もあります5)。

当外来ではスポーツ選手の抱える様々な内科的問題の診断、加療を行い、その選手のパフォーマンス向上のサポートを行っています。
また、レクリエーションスポーツを行いたいが内科疾患を抱えている一般のスポーツ愛好家の皆様に対してもスポーツの可否や運動強度へのアドバイスも行っています。

対象とする疾病
・アスリート貧血
・オーバートレーニング症候群
・高尿酸血症・痛風
・喘息
・不整脈・虚血性心疾患などの循環器疾患
・その他スポーツ選手・愛好者が抱える内科疾患全般

2.生活習慣病患者の皆様

高血圧、糖尿病、肥満症などの生活習慣病は、運動療法を行うことで症状をコントロールできることが証明されています6)7)8)9)10)11)。

スポーツ内科医師の処方で当院スポーツ医科学センターにて専門トレーナーの指導のもと運動を実施し血圧や血糖値、体重のコントロールなどが可能です。

現在、内科で治療中の方でも内服薬の減量等の効果が期待できます10)11)。また、栄養士に依頼して食事療法と平行することにより更なる効果が期待できます。

対象とする疾患
・高血圧症
・糖尿病
・肥満症
・その他生活習慣病

【スポーツ内科診療の流れ】

1. スポーツ内科外来を予約受診します

2. 診察で運動療法の必要性の判断、運動可否判定を行います(*精密検査が必要と判断されれば、各専門内科へ紹介となる場合もございます)

3. 必要に応じてスポーツ医科学センター(スポーツジム)での運動療法、栄養士室での栄養指導がオーダーされます

4. 専門トレーナーの指導のもと運動療法、専門栄養士による栄養指導が実施されます

5. 定期的にスポーツ内科医師による効果判定を行い、必要に応じて治療プランの修正を随時行います

亀田メディカルセンター スポーツ医学科

【出典】

1) McArdle WD et al. Ecercise physiology. Lippincott Williams & Willkins, Phyladelphia, 2007.

2) Brutsaert TD et al. Iron supplementation improves progressive fatigue resistance during dynamic knee extensor exercise in iron- depleted, nonanemic women. Am J Clin Nutr 77: 441-448, 2003.

3) Jeffrey B et al. Overtraining Syndrome: A Practical Guide. Sports Health. 2012 Mar;4(2):128-38.

4) Dohi M, et al. lmpact of spirometry on determining the presence of asthma among Japanese Olympic athletes. 日本臨床スポーツ医学会誌.Vol21, No3.2013. 670−677.

5) 山澤文裕. アスリートの喘息にかかわる諸問題アスリートの喘息治療とアンチ・ドー・ビング . 臨床スポーツ医学:VoL26,No1(2009-1).57-64.

6) Manson JE et al. The escalating pandemics of obesity and sedentary lifestyle: a call to action for clinicians. Archives of Internal Medicine. 2004;164(3):249-258.

7) Pescatello LS et al. American College of Sports Medicine position stand. Exercise and hypertension. Medicine and Science in Sports and Exercise.2004;36(3):533-553.

8) Tjønna AE et al. Aerobic interval training versus continuous moderate exercise as a treatment for the metabolic syndrome: a pilot study. Circulation. 2008;118(4):346-354.

9) Balducci S et al. Physical exercise as therapy for type 2 diabetes mellitus.2014 Mar;30 Suppl 1:13-23. doi: 10.1002/dmrr.2514.

10) 日本高血圧学会.高血圧治療ガイドライン2014.2014:42-43

11) 日本糖尿病学会. 科学的根拠に基づく糖尿病ガイドライン2013.2013: 41-45

このサイトの監修者

亀田総合病院
スポーツ医学科主任部長 大内 洋

【専門分野】
スポーツ整形外科、関節鏡手術、スポーツ整形外科疾患に対する超音波診断
PRP療法、体外衝撃波、高気圧酸素治療の最新治療法