ちょっとためになる話13:骨粗鬆症と圧迫骨折2

 椎体圧迫骨折の治療の原則は「安静と疼痛コントロール」です。圧迫骨折と診断されたら無理をせず、できるだけ安静を保つように心がけてください。コルセットの着用は必須です。できれば市販のものでは無く、自分の体に合わせた医療用コルセット(ダーメンコルセットなど)を作成してもらった方が良いでしょう。

 保存的治療によっても腰痛が改善しない場合や、骨折が治らず偽関節となってしまった場合などは、骨折椎体の中に骨セメントを注入する手術(balloon kyphoplasty, BKPと略します)があります。30分ほどで終了する比較的簡単な手術ですが、患者さんの満足度は80%以上です。かつては保険が認められていなかったため自費診療で手術を受けていただいていましたが、「脊髄外科の指導医がいて、BKPのトレーニングを受けた施設」に限り保険適応が認められるようになりました。当院では2011年よりこの治療を行っています。

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遅発性神経麻痺

 圧迫骨折により骨変形が進行し、神経を圧迫するようになると、下肢のしびれや歩行障害を来すことがあります。これを「遅発性神経麻痺」とよんでいます。この状態になると脊椎固定術が必要となります。「骨折かな?」と思ったら、我慢しないで早めに専門医にご相談ください。


お知らせ

 脊椎脊髄外科では、「骨粗鬆症・圧迫骨折外来」を開設し、専門的加療を行っております。今は比較的予約が取りやすい状況ですので、ご心配な方は一度受診を御願いいたします。
詳しくはこちら → 骨粗鬆症・圧迫骨折外来

このサイトの監修者

亀田総合病院
脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫

【専門分野】
脊椎脊髄疾患、末梢神経疾患の外科治療