梨状筋症候群

1.梨状筋症候群について

 これまでの経過を総合的に考えますと現在の臀部痛や下肢痛の原因は梨状筋による疼痛や坐骨神経障害と推定されます。このため梨状筋の切開により症状が緩和する可能性があります。

2.手術目的および神経症状改善の限界について

 筋肉のストレッチやブロックの効果が充分でないため、外科的治療による症状緩和を目指します。
今回の手術治療で症状が改善することが期待されますが、効果を安定させるために再手術が必要なことが時にあります。また、手術結果から下肢痛の原因は別にもあると結論されることもありえます。手術療法は筋肉の切断、坐骨神経の減圧による病状の安定化を狙ったものであり、すでに損傷を受けている機能については完全に回復させることができないこともあります。

3.梨状筋切開術について

(1)局所麻酔で側臥位になっていただきます。会話をしながらの手術になります。
(2)皮膚切開:患側臀部に皮膚切開を行います。
(3)筋肉の展開:大殿筋を分け、坐骨神経を見つけだします。この時電気刺激を併用の予定です。
(4)肉眼的に梨状筋と坐骨神経の関係を観察し必要な分、梨状筋に切開を入れ神経の減圧をします。神経のそばの別の筋肉にも切開が及ぶ可能性もあります。
(5)閉創:止血を確認し、閉創します。

このサイトの監修者

亀田総合病院
脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫

【専門分野】
脊椎脊髄疾患、末梢神経疾患の外科治療