がんリハビリテーション

がん患者では、がんの進行や、がん治療により様々な障害をもたらされることが多々あります。リハビリテーション診療は、患者が持つあらゆる障害を対象とするものであり、がんによる障害も当然その対象となります。とくにがん治療の進歩により、生命予後が大きく改善してきている近年では、その重要性は増すばかりです。

がん患者は、原発巣や進展度、治療内容やその反応性により、生命予後や障害の内容・重症度も大きく異なります。このため、患者個別のリハビリテーション治療計画が必要となります。

当院では以前よりがんリハビリテーションにも力を入れてきました。2010年よりがん診療専門チームを構成し、そこにはリハビリテーション科医師が密着するスタイルで診療にあたっています。対象となる患者は進行がんであることも多く、骨転移や脳転移などの重大な問題を抱えていることもあり、関連する多職種の連携が重要になります。このような困難症例についてディスカッションするため、腫瘍内科とリハビリテーション部門、病棟看護師、ソーシャルワーカーでの合同カンファレンスを定期的に開催しています。症例のディスカッションを通じて、お互いに勉強もさせてもらっています。今後も最先端のがんリハビリテーションを提供できる体制を構築するための取り組みを続けていく予定です。

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文責:宮越浩一

このサイトの監修者

亀田総合病院
リハビリテーション科部長 宮越 浩一

【専門分野】
がん、脊髄損傷、脳卒中、小児疾患、高齢者のリハビリテーション