プライマリケア医とリハ医のコラボ!

こんにちは!新谷と申します。
私は初期研修終了後、京都にある京都岡本記念病院というところで3年間のリハビリテーション科後期研修を終え、この3月にリハ専門医試験を控えている6年目の医師です。
一度他の施設でも働いて知見を広めたいと考えていた折、ご縁があって現在亀田総合病院・亀田リハビリテーション病院で半年間研修させていただいています。(このようなイレギュラーな研修希望にも前向きに受け入れしてもらえるのは、亀田全体の雰囲気の良いところと言えます。)
回復期病棟の担当医業務の他、急性期病棟でのリハ併診や嚥下の検査、外来での新生児診察やこどもの装具・座位保持装置処方など貴重な症例が経験できています。

今日は先輩に誘っていただき参加した、日本プライマリ・ケア連合学会主催の「若手医師のための家庭医療学冬期セミナー」について書きます。
プライマリ・ケアとは患者全体・家族・地域を見ながら診療を行う、総合的な保健医療福祉機能を指します。プライマリ・ケア医(以下PC医)はいわゆる「地域のかかりつけのお医者さん」と言えるでしょう。

今回は学会が主催するセミナーに、ファシリテーターとして参加しました。タイトルはずばり『リハビリテーション科医とプライマリ・ケア医コラボ企画〜リハは身体を鍛えるだけじゃない?活動を支える生活必需品あれこれ』です。

杖などの歩行補助具をテーマに、PC医の先生方が日常診療で出会いそうな症例を通して適切な歩行補助具を実際に触って、使って、選んでもらうというワークショップでした。
「外来で患者さんが最近膝が痛くて歩きにくいと言う。何を提案する?」「腰椎圧迫骨折で地域包括ケア病棟に入院した患者さん、
日中の安静度・歩行補助具はどうする?」「脳卒中後後遺症で重度片麻痺の患者さん、実は屋外歩行もできるんです。何を使ってる?」などなど。
膝の変形を想定して装具で敢えて可動域制限を付けたり、実際に不自由な身体を再現し身をもって適切な手段を選んでもらいました。みんなでわいわいと「こっちの方が歩いててラク」とか「この麻痺で歩行器無理じゃない?」とか盛り上がりながら進んだセミナーでした。
事後アンケートでは体感することでより理解が深まったとの声もあり、リハ医としてはとても嬉しかったです。これをきっかけにPC医の先生方とも一緒に患者さんのQOLに貢献していければと思います。

このサイトの監修者

亀田総合病院
リハビリテーション科部長 宮越 浩一

【専門分野】
がん、脊髄損傷、脳卒中、小児疾患、高齢者のリハビリテーション