【活動報告】家庭医後期研修医の先生方の緩和ケア科ローテーションの報告

今年度も、KFCT(亀田ファミリークリニック館山)の家庭医後期研修プログラムの先生方が2名(金久保先生(4月)、河田先生(6月))当科を1カ月間ローテーション研修に来てくださいました。

家庭医を目指す先生方は、少しずつ目指す方向性は異なるようなのですが、皆さん共通して全人的な視点、地域の中での医療の望むべきあり方を自分のやり方で模索しておられ(家庭医なので、まあ当然ですけれど、)勿論研修で当科へいらっしゃるのですが、私達自身も、先生方から学ぶことが大変多いです。

恒例の自由課題発表では、金久保先生は、ご自身の人生の振りかえり(ライフレビュー)を私達に共有してくださいました。先生の静かで穏やかな人柄の中にも、ご自身の強い信念、理想の医療を目指して日々精進しておられることを知ることができ大変心強く思いました。

河田先生は、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)がKFCTの日々の診療の中でどれだけ実践されているか、カルテレビューを短期間で実施。現段階では先生が予想していたほどにはできてない、と結論づけておられました。私達としては、日本におけるACPのあり方は欧米の受け売り型であってはいかない、日本の文化にあったものではならないと常々思っています。また、より良いACPのあり方はどうなのか、行動し考えながら、日々の診療を改善してゆきたいと改めて思いました。お二人の先生方、当科での研修お疲れ様でした。

未曾有の多死高齢社会において、"すべての患者さんに緩和ケア"(鴨川宣言2018)を実現するには、家庭医の先生方が後期研修中に他科ローテーションなで緩和ケアを勉強されたり、家庭医と緩和ケア医が一緒に勉強会を開催するなどして協働しながら、primary palliative care(プライマリケアとしての緩和ケア、一次緩和ケア)のレベル向上を図ることが重要です。金久保先生、河田先生、館山地域における緩和ケア診療をよろしくお願いします!

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このサイトの監修者

亀田総合病院
疼痛・緩和ケア科部長 関根 龍一

【専門分野】
病状の進行した(末期に限らない)癌や癌以外のあらゆる疾患による難しい痛みのコントロール、それ以外の症状の緩和