体癌ラパロセミナー

2月24日、25日に大阪で開催された第4回腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術セミナーに当科から松浦が参加してきました!(^^)! 初参加でしたが、最近のエビデンスから基礎的なこと、ビデオは順調な手術を見るのではなく、スペシャリストによるビデオセミナーや合併症トラブルシューティングが豊富で、とても刺激的なセミナーでした。

子宮体癌に対する腹腔鏡手術は2016年に保険適応となりましたが、国内での実施施設はいまだ3割程度と言われています。腹腔鏡手術の導入に関して、日本の婦人科癌手術は欧米、アジアの先進諸国と比べて10年、国内の消化器外科等の他科と比べても10年の遅れをとっているといわれてからさらに数年経過しましたが、今もなお多くの施設で導入できていない現状があります。過去には子宮全摘術の広汎の度を高め広汎子宮全摘術として完成させた(坂元正一、産婦治療 1970)日本の婦人科癌手術は腹腔鏡やロボットの普及という面では逆い追いかける立場にあります。2018年度の保険診療改訂では、腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術は子宮頸癌、さらにはロボット支援下手術でも保険適応となることが決まっています。欧米・アジア先進諸国では腹腔鏡手術からロボット手術への移行が加速しており、日本もそれに追随したい構えですが、技術面だけでなくコストも大きな課題となっています。ただ、腹腔鏡やロボット手術が全て勝るわけではありません。大事なことはtechnical feasibility(技術の習熟度、安全性)とoncologic outcome(癌の予後、治療成績)をカバーしながらそれぞれの患者さんにとってベストな医療を提供するため、われわれ臨床医が常日頃修練を重ね、様々な選択肢が提示できるように準備しておくことです。

亀田総合病院産婦人科は産婦人科専門研修プログラム基幹施設であるとともに、日本産婦人科内視鏡外科学会認定研修施設および婦人科腫瘍専門医指定修練施設でもあります。修練を希望される先生はぜひ一度見学にいらしてください(*'▽')

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このサイトの監修者

亀田総合病院
産婦人科主任部長 大塚 伊佐夫

【専門分野】
婦人科悪性腫瘍