怪物が通った跡

日を追うにつれ台風15号の爪痕が深く、そして広いことが明らかになってきました。今なお、電気、水、あるいはその両方が届かない地域があります。東京電力ももちろん頑張ってくれていることと思いますが、既に1週間が経とうとしており、復旧の見通しの立たない地域の方々の不安は如何ばかりかとお察しいたします。昨夜、学会から帰ってまいりました古澤です。幸い私の住まいのある地域では、出発予定の日の明け方に電気が復旧し、とりあえず、私がいなくても大丈夫だろう、と予定通り出かけてきました。しかし、ニュースばかり気になり、また頻繁に入る鴨川市安全・安心メールの情報や家族とのLINEのやりとりで、本来なら楽しいはずの学会もなんだか気がかりばかりで・・・。
行きは外房線、高速バスが不通、房総スカイラインも倒木で通行困難でしたが、木曜日には房スカの倒木は撤去され、金曜日には外房線も復旧しました。帰りは通常通り外房線で帰って来られました。


post177_1.jpg

出かける前、火曜水曜と5時起きで片付けを始めたのですが、本格的な片付けは今日からです。今日の夕方から明日にかけて、熱帯低気圧と秋雨前線の影響で本降りになるんですと。
周りを見回すと屋根のブルーシートをあちこちで目にします。応急処置を昼間のうちに済まさなければと、市役所にはブルーシートと土嚢の配布を待つ長い列。上の写真の列はL字に曲がって奥の方へずっと続いています。我が家もブルーシートと土嚢が欲しくて列に並んだのですが、土入りの土嚢は定数があって手に入りませんでした。


post177_2.jpg

午前中に近所のホームセンターでロープを買おうと思ったら・・・棚がこんな感じ。でも、午後にもう一度行ったらもう少し棚に物がありました。少なくとも、鴨川ではスーパーにも食料品が普通に並び、給油もできるようになりました。物流は大分復旧しているようなのであとは電気さえ完全復旧すればかなり生活が改善されると思うのですが。報道では最長でさらに10日以上かかる見通しと。


post177_3.jpg

改めて隅々まで見渡してみると、飛びこそしませんでしたが数か所で屋根の瓦にズレが生じ、外回りのフェンスが数か所破損。そしてサンルームの天井が飛んでいって、置いてあった電気製品が水没。ベランダのオーニング(日よけ)も外れて飛んでいってしまいました。雨漏りがしたり、生活に大きな影響を与えるような被害はありませんでしたが、こまごました被害は総額で数十万円単位にはなりそうです。


post177_4.jpg

こんな時によりによって、天候悪化の予報。雨が降る前にサンルームにブルーシートを掛けねば。ところが、午前中から風が結構強まってきて、このシートをかけるのが大変でした。5m四方のシートは結構重く、これをうまく広げて掛けるのが一苦労。最初、2階の窓から掛けたのですが「上手くいった」と思った瞬間、ブワーッと吹いてきた風に一気に剥がされ持っていかれてしまいました。掛けてはめくれ、悪戦苦闘すること約2時間、何とか間に合いました。ニュースでは屋根のブルーシート掛けなどの自宅の補修中の怪我が多発しているとか。この程度の作業でもかなり大変でしたが、屋根に上っての作業はさらに大変でしょう。


post177_5.jpg

さあ、次は畑の片付け・・・と張り切りたいところですが、なんともやる気が出ない。あまりに何もかもがメチャクチャすぎて、どこから手を付ければよいやら。学会前にトマトの雨除けとネットは分解したのですが、キュウリもナスも、そして畑の周りの柵も。通常通りに収穫が終わって片付ける場合は、組み立てたのと逆の手順でバラしていけばよいのですが、あの怪物に押し倒され、捻じ曲げられて、鉄パイプが曲がったり、網が絡んだり、留め具が壊れたり・・・。途方に暮れてしまいます。とりあえず、辛うじて残った作物を守るところからやろう。落花生は背が低いので風の害はほとんどありませんでした。元の囲いを分解してもう一度コンパクトに網をかけなおしました。このどさくさに猿が攻めてきたら壊滅です。


post177_6.jpg

2本あった柿の木の1本は完全に折れてしまい、残った1本に1個だけ実が残っていました。


post177_7.jpg

庭中の木という木が北方向に曲がってしまいました。このみかんの木もかなり太い木ですが・・・こんな具合。とても人の力では真っすぐに戻せません。この木はあきらめて切ろうかと思います。
でも、まぁ、私の所の被害など微々たるものです。被災した方々が一日も早く日常生活に復帰できるよう願ってやみません。

このサイトの監修者

亀田総合病院
産婦人科主任部長 大塚 伊佐夫

【専門分野】
婦人科悪性腫瘍