風邪に対する抗菌薬使用

昨日NHKの「おはよう日本」で、「風邪に対する抗菌薬使用」の実態と、不必要な過剰な抗菌薬使用が耐性菌の出現に関与していること、抗菌薬の適正使用を実践している愛知県のクリニックの取り組み、が放送されていました。

NHK NEWS WEB:かぜに効かない抗菌薬 6割超の医師が処方

所謂「風邪」は、ウイルス感染症のため、抗菌薬の内服は不要です。症状の改善を早くすることはありません。また、抗菌薬を使用しても、それに続発する細菌感染症を予防する効果もありません。耐性菌出現のリスクだけでなく、下痢などの副作用や、コストもかかるため、内服しないほうが体にもお財布にもよいのです。

咽頭炎(発熱、咽頭痛など)の場合は、抗菌薬が必要なこともありますが、症状と身体所見と簡単な検査で診断可能です。当院の「咽頭炎」ガイドラインをご参照ください。

このサイトの監修者

亀田総合病院
臨床検査科部長、感染症内科部長、地域感染症疫学・予防センター長  細川 直登

【専門分野】
総合内科:内科全般、感染症全般、熱のでる病気、微生物が原因になっておこる病気
感染症内科:微生物が原因となっておこる病気 渡航医学
臨床検査科:臨床検査学、臨床検査室のマネジメント
研修医教育