KINDフェロー?の日常紹介 #15 London School of Hygiene & Tropical Medicine

チャンスがあっても、その初めの1歩を踏み出せるかどうかが非常に難しいです。亀田総合病院感染症内科では、その1歩をサポートします。今回、超名門のLondon School of Hygiene & Tropical Medicine の Diploma of Tropical Medicine & hygieneにチャレンジした津山先生の報告会を行いました。

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アテンディング修行中の津山です。
2023年9月から12月までLondon School of Hygiene & Tropical Medicine の Diploma of Tropical Medicine & hygieneのコースを受講したため科内で報告会を行いました。
亀田総合病院感染症科のフェローは8ヶ月間成田赤十字病院での診療をすることになっており、そこで輸入感染症を実際に診療する機会があります。私も成田日赤で重症熱帯熱マラリアや腸チフスなどの症例に触れることができました。その診療に際して、自分がTropical medicineについての理解が浅いことに気づきDTM&Hを受講しようと考えました。
いざ行こうとしたときに1番問題となったのは英語でした。私は英語が本当に苦手でIELTSにはとても苦労させられましたが最終的になんとか受講できる運びになりました。私はどちらかというとMSFに行くためというよりはMalariaなどの各論を再度学び直すということを主目的にDTM&Hを受講しましたが、授業では感染症の各論だけではなく、HypertensionやDMなどのNon-communicable disease、stigma、decolonizationやmigrant healthなど非感染症や日本では普段考えないような事についての授業も数多くあり、その講師の先生たちの特にlow middle income countryに存在する問題をどうにかしようという熱い思いがひしひしと伝わってきました。顕微鏡実習ではmalariaから始まりtrypanosomaやhelminthのegg、また蚊やハエなど数多く実物を見ることができました。
最後のテストは追い込みの時期も含めて、精神的にもかなり追い詰められましたが、masterで同じコースだった九大の麻生達磨先生や同じ感染症内科医の上野亨敏先生とパブで飲むことでなんとか発散でき、本当に救われました。
LSHTMのDTM&Hを受講しMalariaなどの各論についてもある程度の知識を得ることができましたが、それ以外に、自分が日本ではあまり考えなかったような世界の問題について真剣に考えている人がいるということを肌で感じることができた研修でした。
最後に、送り出してくださった感染症内科の細川部長や私がいない間代診をしてくださった先生方、DTM&Hに行くきっかけを作ってくださった成田赤十字病院の馳先生にお礼を申し上げます。
また、幽霊部員ではありますが併せて所属する長崎大学熱研内科の有吉教授の後輩になれたことを誇りに思います。

このサイトの監修者

亀田総合病院
臨床検査科部長、感染症内科部長、地域感染症疫学・予防センター長  細川 直登

【専門分野】
総合内科:内科全般、感染症全般、熱のでる病気、微生物が原因になっておこる病気
感染症内科:微生物が原因となっておこる病気 渡航医学
臨床検査科:臨床検査学、臨床検査室のマネジメント
研修医教育