亀田感染症KINDセミナー質疑応答(FNレクチャー/CRBSIレクチャー)

KINDセミナーの際にいただいた質問にお答えします!

■FNレクチャーへの質問です。

Q1 GCSFなどの投与を行なっている場合の抗菌薬の選択は何か違いがありますか(もしくは投与していない場合と全く同じですか)?
A1 G-CSFを投与しているということは、好中球減少が起きている/起きる可能性が高い状況と思いますので、発熱性好中球減少症と同様に抗菌薬選択を行います。

■CRBSIレクチャーへの質問です。

Q2 カテーテルの先端培養で細菌が検出されなかった場合はCRBSIではなかったと判断してよいのでしょうか。
A2 血液培養と同一の菌が検出された場合にはCRBSIと診断できますが、血液培養が陽性でカテーテル先端培養が陰性のときは、まずは他のフォーカスを検討します。それでも他のフォーカスが見当たらない場合、カテーテル先端培養の偽陰性(抗菌薬投与後の抜去、提出の場合にしばしば見られます)と考え、CRBSIとして治療を行うこともあります。CRBSIの場合には、フォローの血液培養陰性確認からが治療期間ですので、真の感染が他のフォーカスであった場合でも、治療期間不足となる懸念は少なくなります。

Q3 CRBSIで抗緑膿菌活性をもつセフェムを使う場合、その代わりにTAZ/PIPCは使用可能でしょうか。
A3 初期治療にPIPC/TAZが開始されることは多く、緑膿菌活性があり、全くダメ、ということはありません。しかし、CRBSIでは嫌気性菌が関与することは考えなくてもよく、「タゾバクタム」分のカバーが余計となってしまうという点からは、使用できれば、抗緑膿菌活性のあるセフェムを用いる方が、よりnarrowな選択になります。

このサイトの監修者

亀田総合病院
臨床検査科部長、感染症内科部長、地域感染症疫学・予防センター長  細川 直登

【専門分野】
総合内科:内科全般、感染症全般、熱のでる病気、微生物が原因になっておこる病気
感染症内科:微生物が原因となっておこる病気 渡航医学
臨床検査科:臨床検査学、臨床検査室のマネジメント
研修医教育