腸チフスによる死亡例

腸チフスによる死亡例が報告されました。汚染された水または食事の摂取で感染して、感染から発症までだいたい1-3週間くらいです。高熱、腹痛、下痢(逆に便秘のこともある)などで発症します。抗菌薬で治療すれば、基本的に治癒する病気です。ただし、東南アジアやインドなどでは耐性菌が問題となっています。

予防は、ワクチン接種(日本で使用可能なものは、Vi polysaccharide vaccineが多いと思われます)と、生水や火の通っていない食べ物を摂取しないことです。ワクチンは1回接種、筋注、2-3年程度の効果があります。ただし、予防効果は50-70%程度であり、接種したからといって完全に予防できるわけではありません。インドなどでは、結合型ワクチンが使用されており、効果はポリサッカライドワクチンよりも高い可能性が指摘されていますが、まだ先進国では使用不可です。

西日本新聞
腸チフスの66歳男性死亡 南アジアから帰国後 福岡県発表

このサイトの監修者

亀田総合病院
臨床検査科部長、感染症内科部長、地域感染症疫学・予防センター長  細川 直登

【専門分野】
総合内科:内科全般、感染症全般、熱のでる病気、微生物が原因になっておこる病気
感染症内科:微生物が原因となっておこる病気 渡航医学
臨床検査科:臨床検査学、臨床検査室のマネジメント
研修医教育