麻疹の流行

大阪府で麻疹の流行が問題となっています。また、東海道新幹線に麻疹患者さんが乗車していたことも発表されました。

麻疹は、皮疹が出現する5日前から感染性があると考えられています。つまり2月9日に皮疹が出現したということは、2月5日ごろから感染性があり、2月6日に新幹線に乗車したことになります。なので、たくさんの人がウイルス曝露した可能性があります。

曝露から発症までの潜伏期間は1-3週間と幅がありますが、典型的には10-14日ですので、発症する人がいるとしたら、来週(2月16日以降)ですので、今後発熱や鼻汁やめやに、咳などがでてきたら注意が必要です。また、インフルエンザの流行は減少してきたとはいえ、まだ流行はしていますので、鑑別が重要です。

感染性は非常に強く、基本再生産数は12-18(免疫のない集団に1人の感染者がいた場合に、感染させる数)とされています。予防は、ワクチン接種です。成人は1か月以上あけて2回接種、小児は3か月以上あけて2回接種(定期接種は、1歳と就学前)です。2回接種すれば、99%以上で予防可能と考えられています。

成人発症例が多いのは、この年齢の人は2回接種していない人口が多いためです。母子健康手帳を確認して、2回接種していなければ、ワクチン接種可能な医療機関でご相談いただくのがよいと思います。

今回のように流行地域(大阪府)以外に住んでいる人でも、罹患するリスクが急に出現することがありますので、ワクチン接種は重要です。

大阪府 麻疹についての最新の報道
大阪府内麻しん(はしか)患者の発生に伴う注意喚起について

このサイトの監修者

亀田総合病院
臨床検査科部長、感染症内科部長、地域感染症疫学・予防センター長  細川 直登

【専門分野】
総合内科:内科全般、感染症全般、熱のでる病気、微生物が原因になっておこる病気
感染症内科:微生物が原因となっておこる病気 渡航医学
臨床検査科:臨床検査学、臨床検査室のマネジメント
研修医教育