日本超音波医学会第29回関東甲信越地方会学術集会消7-1において超音波検査室の北浦幸一技師が報告しました。

平成29年11月11日超音波検査室の北浦幸一技師が日本超音波医学会第29回関東甲信越地方会学術集会消7-1において「肝トキソカラ症の1例」を報告しました。

トキソカラ症は幼虫移行症の代表的疾患であり、寄生虫の虫卵を経口摂取し、腸管内で孵化した幼虫が腸管壁から侵入し内臓に移行し、肝、脳、筋肉などに長期間とどまる病態です。幼虫が肝に移行すると、虫体周囲に反応性に好酸球性肉芽腫が形成され、虫体が移動するにしたがって肉芽腫の範囲が拡大します。好酸球肉芽腫は画像上、腫瘤影として検出され、他の腫瘤性病変との鑑別がしばしば困難となります。超音波における所見は辺縁不整、境界不明瞭な類円形低エコー腫瘤として描出されます。中島らは、低エコー腫瘤の中心部に血管を反映した2本の線状陰影(bead sign)を認めると報告しています。造影USでは一定の造影パターンはないとされますが、後血管相でdefectを呈すると報告されています。造影効果に関しては、CT、MRIも共通した所見がなく、炎症の程度により血管支配が変動する可能性などが考えられました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器内科顧問 平田 信人

【専門分野】
胆石、胆道ガン、膵炎、膵ガンなどの胆膵の病気、消化器内視鏡全般、胆膵内視鏡