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2016年敗血症は感染に対する宿主生体反応の調整不全による生命を脅かす臓器障害と定義された(sepsis-3)。炎症を示すSIRSの要件が削除され、より重症度と関連する臓器障害の指標が重視されるようになった。
本研究においてqSOFAの救急部門における外的妥当性が前向きに検証された。qSOFAの根拠となったSeymourの研究*1と同様、qSOFAは救急部門において(集中治療室外)SIRS、SOFA、Severe sepsisより院内死亡予測が優れていた。
しかし本研究の対象となった1088人中209人(18.6%)がqSOFAスコアの欠損(149人)や感染が否定的と判断された(60人)ことで除外されている。SIRSの項目の欠損した人数については記載がないが同様にある程度欠損している可能性が高い。そうなると、早期に挿管されてしまった患者など呼吸回数の記録がないなどから重症患者が除外されてしまっている可能性があり、選択バイアスが懸念される。

*1:JAMA 2016 Feb23;315(8):762-74

Prognostic Accuracy of Sepsis-3 Criteria for In-Hospital Mortality Among Patients With Suspected Infection Presenting to the Emergency Department.
Freund Y et al. JAMA. 2017 Jan 17;317(3):301-308.
doi: 10.1001/jama.2016.20329.


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このサイトの監修者

亀田総合病院
救命救急センター センター長/救命救急科 部長 不動寺 純明

【専門分野】
救急医療、一般外科、外傷外科