CCEeXAM合格体験記

亀田麻酔科専攻医の金です。
この度、CCEeXAM (Critical Care Echocardiography Examination) に合格しましたので、試験の概要や対策法について共有したいと思います。

CCEeXAMとは?
CCEeXAMは、集中治療領域における心エコーを中心としたPoint of Care Ultrasound(POCUS)の知識と技術を評価する試験です。主に経胸壁心エコー(TTE)と経食道心エコー(TEE)を用いた重症患者の評価が対象となり、200問で構成されているCBT試験です。試験はNBE (National Board of Echocardiography) によって運営され、合格者には”Testamur”の資格が与えられます。

試験対策
1. エコーの基礎知識と臨床経験の活用
私自身、心エコーの基本はJBPOTやAdvanced PTEeXAMの学習を通じて習得してきました。特にTEEに関しては、これまでの知識・経験が大いに役立ちました。
一方、TTEに関しては心エコー検査室での研修が非常に有用でした。当科では専攻医が1ヶ月間の心エコー研修を行い、その間にエコーの当て方や評価方法を徹底的に学びます。この研修を通じて、TTEの技術を確立できたことが試験の準備にも直結しました。

2. 使用した参考書
『Critical Care Echocardiography Review: 1200+ Questions and Answers』 を活用しました。
この本は、画像問題が豊富で試験内容に沿った構成となっており、実践的な学習が可能です。特にCCEeXAMは画像問題が中心のため、この本を通じてほとんどの知識を得ることができました。

試験の申込みについて
申込み方法については、以前受験したAdvanced PTEeXAMと同様でした(詳細は以前の合格体験記を参照)。
試験は年に1回しか実施されず、テストセンターでの受験枠の確保が難しいのが現状です。特に、日本で受験できる枠は限られており、他の試験の受験者で枠が埋まることもありますので、気をつけたほうが良いです。なお、来年以降、NBEはAdvanced PTEeXAMとASCeXAMについては自宅受験のシステムを導入予定ですが、CCEeXAMは対象外とのことです。

試験本番
試験内容は画像問題が中心となる200問です。Advanced PTEeXAMよりも易しく、直感的に判断できる画像問題が多いと感じました。またその分、時間に余裕も感じました。Advanced PTEeXAMでは時間ギリギリでしたが、今回は余裕をもって解答できました。試験の約3〜4割はTEEの内容が占めていました。また、心臓以外のPOCUS(肺エコー・腹部エコーなど)の割合は1割程度でした。ただし、上記の参考書をしっかりやっていれば合格ラインには十分到達できると感じました。

今後の展望と考察
最近、日本集中治療医学会も類似のエコー認定試験を立ち上げる予定であり、CCEeXAMと異なり心臓以外のエコー(肺・腹部・血管エコーなど)をより多く取り入れると聞いています。そのため、今後はCCEeXAMの受験メリットが相対的に減る可能性もあります。

最後に
亀田麻酔科ではPOCUSを専攻医教育に積極的に取り入れており、手術室や術前外来でも日常的に活用しています。今回の試験合格にあたっては、日常臨床の中でPOCUSに触れる機会が多かったこと、そして何よりも心エコー検査室での研修が非常に役立ったと感じています。検査室の技師の皆さんには、この場を借りて感謝申し上げます。

試験を通じて、自分の技量と知識を再確認することができました。今後もさらなる研鑽を積んでいきたいと思います。

このサイトの監修者

亀田総合病院 副院長 / 麻酔科 主任部長/亀田総合研究所長/臨床研究推進室長/周術期管理センター長 植田 健一
【専門分野】小児・成人心臓麻酔