2023年ヨーロッパ区域麻酔学会報告

2023年9月6日~9日にパリで開催された、第6回区域麻酔・疼痛医学世界合同会議(WcRAPM)及びヨーロッパ区域麻酔・疼痛医学学会(ESRA)第40回学術会議に参加しましたのでご報告いたします。
WcRAPMはヨーロッパ(ESRA)、アメリカ(ASRA)、南米(LASRA)、アフリカ(AFSRA)及びアジア太平洋(AOSRA)の区域麻酔学会からなった合同会議で4年に一度開催される区域麻酔及び疼痛医学界隈での一大イベントです。

私は亀田で行われている臨床プロジェクトの先行研究を投稿した結果、ポスターとして採択されましたので発表させていただきました。セッションのファシリテーターはイタリアの有名な区域麻酔専門の先生で、いくつか建設的なご意見をいただきました。聴衆は世界中から集まった同業者で、熱心に聞いてくださいました。
また、いくつかのセッションにも参加しました。一番印象に残るのは「区域麻酔の研究をどうやって良くするか」というテーマで、世界有数の大物研究者による対談です。日本もですが、世界各地の麻酔科は手術麻酔に追われ、研究離れしているのが現状です。トップ研究者の先生方がどのようなことを考えて、どういう風に研究をしてきたのかを聞かせていただきました。
当科杉山部長も一つのエキスパートセッションを担当しました。まさにこの研究離れしている環境の中で、杉山部長は数年前までに臨床業務をしながらTRPA1チャネルに関する基礎研究を行っていました。その話で会場からたくさんの質問があり、盛り上がりました。
会場はやや小さめですが、教育セッションのほか、神経ブロックのワークショップも多く開催され、内容盛りだくさんでした。

国際学会の参加を通して、世界トップレベルの研究内容・臨床知見に触れ、より良い臨床・研究をしていこうという気持ちが高まりました。このような貴重なご機会をくださり、発表に際してご指導くださった亀田麻酔科の皆様に感謝申し上げます。

亀田総合病院 麻酔科 後期研修医 金

このサイトの監修者

亀田総合病院 副院長 / 麻酔科 主任部長/亀田総合研究所長/臨床研究推進室長/周術期管理センター長 植田 健一
【専門分野】小児・成人心臓麻酔