かめだPOST 血液の検査2

「いつもと違う?」体調に不安を感じたら、まずは亀田総合病院へ。
臨床検査室では「その日の結果を、その日の診察へ」皆さまの笑顔へのお手伝いをさせていただきます。
患者さまからの「血液」を大切にお預かりいたします。

ドックや健診などで採血された血液の検査や、肝臓・腎機能検査、最近話題のメタボリックに関係している脂質検査を行っています。
また、血糖(グルコース)など糖尿病の診断やコントロールに関わる検査、肝炎などの感染症なども検査しています。
その他、24時間体制で入院・外来患者さまの血液検査を行っています。
赤字は外来診察前測定報告可能項目)

生化学検査

総蛋白質アルブミン、A/G比、総コレステロール、中性脂肪HDLコレステロールLDLコレステロールASTALTLDALP、LAP、Ch-E、γ-GT総ビリルビン直接ビリルビンCKCK-MB尿素窒素クレアチニン尿酸アミラーゼカルシウム、リン、NaKClCRPLDL-C(計算)、Fe、UIBC、グリコアルブミン、血糖検査(PG)、血糖負荷試験、グリコヘモグロビンA1c、グリコヘモグロビン総、ヘモグロビンF、蛋白分画 β2MG(血清)、プレアルブミン、レチノール結合蛋白、シスタチンC、eGFR、ビタミンB12、葉酸

免疫・血清検査

リウマトイド因子(RF)、抗ストレプトリジンO(ASLO)、IgG定量、IgA定量、IgM定量、C3c定量、C4定量、抗核抗体、MMP-3

感染症検査

RPR定性、RPR定量、TPAb定性、HBs抗原定性、HBs抗原定量、HBs抗体定性、HBs抗体定量、HBe抗原CLIA、HBe抗体CLIA、HBc抗体CLIA、HCV抗体、HIV検査、HTLV

血中(薬物)濃度検査

フェノバルビタールフェニトインカルバマゼピンバルプロ酸、フリーフェニトイン、フリーカルバマゼピン、ジゴキシンラニラピッドテオフィリン、メソトレキサート、バンコマイシン、ゲンタマイシン、サイクロスポリン、タクロリムス、トブラマイシン、(炭酸)リチウム

腫瘍マーカー検査

α-フェト蛋白質、CEA、CA19-9、CA125、CA15-3、フェリチン、PSAフリーPSAF/T比、HER2

内分泌検査

TSHフリーT3フリーT4、サイログロブリン、インスリン、BNP、CPR(血清)、コルチゾール、PTH-intc、総HCG-βNT-PRO-BNP、ACTH、LH、FSH、プロゲステロン、E2、テストステロン

アレルギー検査

IgE定量、ブタクサ、アキノキリンソウ、杉花粉、カモガヤ、ヒノキ、猫フケ、イヌ上皮、イヌフケ、ハウスダスト1、ハウスダスト2、ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ、カンジダ、アスペルギルス、アルテルナリア、牛乳、卵白、小麦、米、大豆

自己抗体検査

TSHレセプター抗体(TR-Ab)、PR3-ANCA、MPO-ANCA

微量金属検査

マグネシウム(血清)

緊急ガス分析

pH二酸化炭素分圧(PaCO2)酸素分圧(PaO2)重炭酸イオン濃度(HCO3-)過剰塩基(BE)酸素含量(O2(ct))酸素飽和度(O2SAT)NaKイオン化カルシウム

その他

アンモニア、毛細管ビリルビン、ウルトラトロポニン、ICG、フリーライトチェーン、ピロリ呼気テスト、サリチル酸、アセトアミノフェン、エタノール

搬送ライン導入

搬送ラインとは

採血・遠心分離した採血管を分注機に載せることで、それぞれの測定項目に必要な量を別の容器に分注します。その分注した血液をベルトコンベアで自動搬送し、自動分析装置に搬入し、自動測定するシステムです。

この自動搬送ラインを導入したことで、結果報告までの時間短縮や患者さまからの採血量の負担が軽減されます。

項目説明

総蛋白質(TP)

血清中には約7~8%の蛋白が100種類以上含まれており、膠質浸透圧の維持や生体の防御機構などに関与している。通常、血清中(血漿でもよい)に含まれている蛋白のすべての総称である。

当院基準値 総蛋白6.7~8.3g/dl
高値 免疫グロブリンの増加による場合(悪性腫瘍、多発性骨髄腫など)、脱水症など
低値 栄養障害、肝疾患、ネフローゼ症候群など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
アルブミン(ALB)

アルブミンは総蛋白のうち最も量が多く(50~70%)肝臓で合成される。機能は、膠質浸透圧の維持や血中の様々な物質の運搬などであり、栄養状態のよい指標とされる。

当院基準値 アルブミン3.4~5.8/dl
高値 脱水症など
低値 肝疾患、重症肝障害、ネフローゼ症候群、栄養摂取不足など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
中性脂肪(TG、トリグリセライド) HDLコレステロール(HDL-C)

食物として摂取される脂肪のほとんどが中性脂肪である。
動脈硬化の危険因子として重要である。

当院基準値 50~149mg/dl
高値 糖尿病、動脈硬化症、ネフローゼ症候群など
低値 アジソン病、肝硬変や肝細胞癌では低下傾向
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
HDLコレステロール(HDL-C)

食物として摂取される脂肪のほとんどが中性脂肪である。
動脈硬化の危険因子として重要である。

当院基準値 50~149mg/dl
高値 糖尿病、動脈硬化症、ネフローゼ症候群など
低値 アジソン病、肝硬変や肝細胞癌では低下傾向
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
LDLコレステロール(LDL-C)

総コレステロールに代わりLDLコレステロールが動脈硬化症の危険因子として重要となっている。
動脈硬化症起因性のコレステロールで、高値となると虚血性心疾患の頻度が増加することが知られている。

当院基準値 70~139mg/dl
高値 ネフローゼ症候群、家族性高コレステロール血症(IIb型)など
低値 肝硬変、甲状腺機能亢進症など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
AST(GOT)(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)

心筋、肝、骨格筋、腎などに含まれている。

当院基準値 13~33IU/l
高値 肝炎、肝硬変、心筋梗塞など
低値 腎不全、透析患者、妊娠など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
ALT(GPT)

肝臓に一番多く含まれている。

当院基準値 8~42 IU/l
高値 肝硬変、脂肪肝、急性肝炎など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
LD(LDH)(乳酸デヒドロゲナーゼ)

体内のすべての細胞内に存在する酵素で組織の損傷により血清中に増加するため、スクリーニング的に用いられる。
心筋障害後長期にわたり高値を維持することから、急性期を過ぎた症例の評価に適している。

当院基準値 119~229IU/l
高値 悪性貧血、心筋梗塞、白血病など
低値 失活因子、遺伝性LD-H欠損症、腫瘍薬などによる白血球の著しい減少時など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
ALP(アルカリホスファターゼ)

肝胆道系酵素と呼ばれている。

当院基準値 115~359IU/l
高値 胆汁うっ滞、肝硬変など
低値 遺伝性低ALP血症など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
γ-GT(γ-GTP)(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)

肝・胆道系疾患を特異的に反映する。

当院基準値 10~47IU/l
高値 肝炎、肝癌、肝障害(アルコール性肝障害、薬物性肝障害)など
低値 先天性γ-GT欠損症など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
総ビリルビン

肝胆道系の障害を把握するための検査である。直接ビリルビンと間接ビリルビンの和である。

当院基準値 0.2~1.0 mg/dl
高値 急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
直接ビリルビン

寿命を終えた赤血球のヘモグロビンが変化してできる色素で、肝臓で処理されタンパク質と結合したものである。

当院基準値 0.1~0.4 mg/dl
高値 急性肝炎、慢性肝炎、肝内胆汁うっ滞、閉塞性黄疸など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
CK(CPK)(クレアチンキナーゼ)

骨格筋、心筋を中心に存在する酵素である。
心筋梗塞や多発性筋炎など筋障害の診断、経過観察に有用である。

当院基準値 男60~287IU/l 女45~163IU/l
高値 心筋と骨格筋の障害時など
低値 甲状腺機能亢進症、妊娠など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
CK-MB

主として心筋に多く含まれており、これらの組織障害で血中に逸脱する。

当院基準値 0~25 IU/l
高値 急性心筋梗塞、横紋筋融解症などの骨格筋疾患など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
尿素窒素(BUN)

日中高値で夜間低値の日内変動がある。
腎より排泄される老廃物で、腎障害がある場合、基準値以上となる。

当院基準値 8~22 mg/dl
高値 ネフローゼ症候群、腎炎など
低値 尿崩症、肝硬変の末期など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
クレアチニン(CRE)

上昇は腎障害の程度をよく反映する。

当院基準値 0.6~1.2 mg/dl
高値 糸球体腎炎、脱水症など
低値 尿崩症、妊娠など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
尿酸(UA)

腎より排泄される老廃物である。
高尿酸血症は痛風腎との関連のみでなく、肥満、高血圧、高脂血症、耐糖能異常など合併する頻度が高く、生活習慣病を考慮する。
プリン代謝異常や腎機能障害の診断に有用で、続発性高脂血症の原因となる多量のアルコール摂取や肥満などでも上昇傾向が見られる。

当院基準値 男 3.5~7.9 mg/dl 女 2.6~6.0mg/dl
高値 痛風、腎不全など
低値 肝硬変、糸球体腎炎、Wliison病など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
アミラーゼ(AMY)

膵疾患や唾液腺の診断ができる。

当院基準値 37~125 IU/l
高値 膵疾患、唾液腺疾患、アミラーゼ産生腫瘍
低値 慢性膵炎の末期、高度な糖尿病、肝硬変
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
カルシウム(Ca)

昇圧作用があり、副甲状腺ホルモン(PTH)、活性型ビタミンDにより調節されている。腎障害や骨代謝異常の病態把握に有用である。

当院基準値 7.0~10.2 mg/dl
高値 甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫など
低値 慢性腎不全など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
ナトリウム(Na)

血清Na値は体内のNa量と体液量のバランスで変動する。昇圧作用がある。
Naの代謝異常は水代謝異常であり、全体液浸透圧の指標となる。
電解質異常は不整脈の原因となりうる。

当院基準値 135~147 mEq/l
高値 原発性アルドステロン症、クッシング症候群など
低値 心不全、腎不全、ネフローゼ症候群など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
カリウム(K)

血清K値は、細胞内から細胞外へのKの移動によりアシドーシスでは増加し、アルカローシスでは低下する。降圧作用を有する。

当院基準値 3.3~4.8 mEq/l
高値 腎不全、腎機能低下など
低値 原発性アルドステロン症、クッシング症候群など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
クロール(Cl)

血清Cl値はNa値とほぼ平行するが、酸塩基平衡に連動しアシドーシスでは高値、アルカローシスでは低値となる。
水・電解質代謝異常、酸塩基平衡障害が疑われる場合での測定は不可欠である。

当院基準値 98~108 mEq/l
高値 ネフローゼ、呼吸性アルカローシス(過換気症候群など)
低値 嘔吐、呼吸性アシドーシス(肺炎など)、Addison病
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
C-反応性蛋白(CRP)

組織障害や感染により、血漿中で変化する急性相反応蛋白である。
急性心筋梗塞により心筋に壊死が起こると、CRPは6~8時間で上昇、3~4日で最高値となり、病態が改善すると急速に低下する。

当院基準値 0.01~0.40 mg/dl
高値 細菌性感染症、急性心筋梗塞など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
血糖(グルコース、PG)

続発性高脂血症の原疾患となる糖尿病の診断指標となる。

  • 高血糖、低血糖の診断と重症度の判定に有用。
  • 日内変動が大きい<食後高値、空腹時低値となる。
  • 動脈硬化を促進する糖尿病は虚血性心疾患の危険因子である。
当院基準値 70~110 mg/dl
高値 糖尿病、褐色細胞腫、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症など
低値 過剰のインスリン使用時、甲状腺機能低下症など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
グリコヘモグロビンA1c(安定型)

糖尿病の診断指標、長期の血糖コントロール指標として用いられる。

  • 過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映
当院基準値 4.3~5.8%
高値 糖尿病など
低値 溶血性貧血や出血などで赤血球寿命が短縮する疾患
持続性低血糖(インスリノーマなど)
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
HBs抗原定性
当院基準値 陰性
高値 陽性であればB型肝炎ウイルス(HBV)感染者
(B型急性肝炎、無症候性HBVキャリア、慢性B型肝炎、B型肝硬変など)
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
甲状腺刺激ホルモン(TSH)

血中TSHは視床下部-下垂体-甲状腺系の機能診断に有用で、主に甲状腺機能障害のスクリーニング、下垂体前葉機能検査などに用いられる。
下垂体から分泌されるホルモンで、甲状腺ホルモン(T4、T3)の産生を促進する。
甲状腺疾患は心臓病と症状が類似し、甲状腺機能低下症・亢進症ともに心不全の原因となるため検査が必要である。

当院基準値 0.4~4.7μIU/ml
高値 甲状腺機能低下症、慢性甲状腺炎など
低値 甲状腺機能亢進症、亜急性甲状腺炎など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
遊離トリヨードサイロニン(Free T3)

ホルモン活性が高い総トリヨードサイロニン(T3)のうち、結合蛋白と結合していないもの。甲状腺機能を正確に把握する指標となる。
バセドウ病のような甲状腺中毒症患者では、Free T4よりFree T3の方が著しく上昇する。

当院基準値 2.5~4.3 pg/ml
高値 バセドウ病、無痛性/亜急性/急性甲状腺炎など
低値 原発性甲状腺機能低下症など
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
遊離サイロキシン(Free T4)

甲状腺機能診断の有用な指標となる。
遊離トリヨードサイロニン(Free T3)値とTSH値を同時に測定することにより病態把握に有用である。

当院基準値 1.0~1.8 ng/dl
高値 バセドウ病、無痛性/亜急性急性甲状腺炎など
低値 粘液水腫のような著しい甲状腺機能低下症、原発性甲状腺機能低下症や無痛性/亜急性甲状腺炎の一時期低値
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)

心室より分泌され、血管拡張作用、利尿作用がある。
慢性・急性心不全の重症度に応じて著明に増加するため、心不全の病態把握に有用。
心不全重症度を正確・鋭敏に反映し、心臓病のスクリーニング、経過観察、予後指標に有用。

当院基準値 0.0~18.4 pg/ml
高値 うっ血性心不全、慢性腎不全、心筋症、心肥大
  • 当院基準値は2008年1月4日現在である。
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